城崎温泉

こうのとり」で、城崎に行こう。
と、ふと思い立った。


城崎温泉観光協会HPの「お宿とれとれ」で、三連休中の宿を検索。
24日泊の「大西屋水翔苑」のシングル洋室ビジネスプランが取れた。
次は、「こうのとり」の予約。
往きは、新大阪駅08:06発。
帰りは、城崎温泉14:35発。
始発から終点なので、自由席でもいいのかも知れないが、
座席が確保されていない、という状態だと、どうも安心できない。
なので、がらすきでも、指定を取る。


が、予定日が近付くに連れて、クリスマス寒波がニュースになり始めた。
天気予報で、雪。
前日の天気予報も状況は変わらない。
大雪警報、積雪警報、波浪警報、雷鳴注意報と、やたらと警報が出ている。


24日の朝、7時半に家を出る。
新大阪駅までは歩いて20分。
朝食用に駅弁と、すたばのカフェミストを購入して、ホームへ。
列車はオレンジ色の旧型車両。
シートカバーに切符用ポケットがある。
のはいいのだけれど、乗りたかったのは新型車両だった。
ちょっと気分がなえる。
しかも、車内が寒い。
その上、定刻を過ぎても発車する気配がない。
暫くして「信号待ち」というアナウンスが入る。
寒い車内でじっと待つこと11分。
接続する新快速の遅れだそうで、新快速の到着後、漸う発車。
暖房も入り、やっと駅弁を食べ始める。
牛肉二刀流弁当¥980


宝塚を超え、トンネルを抜けると、
山、山、山。
何もない。
木々に霜が降りている。
工事現場と、搬送用の道路。
電線、電線をつなぐ鉄塔。
人跡未踏と思える山々よりも、鉄塔の方が高く見える。


篠山口から天気が変わる。
行く手には雲が立ち込めている。
が、間もなく晴れ渡り、青空が広がる。
雲もない。
下界には薄い靄が覆っているが、上空は雲ひとつない晴れ間。
雲が地表を流れていく。
いやに低いところを流れているように見える。
木々にうっすらと雪が積もっている。
このまま雪国に突入かと思ったが、豊岡駅では雨だった。
定刻より14分ほどの遅れで、城崎温泉駅に到着。
まさに雪景色。


まずは、お宿案内処へ。
観光地図を貰い、クーポンの購入場所を聞き、送迎バスの発着所を確認し、
ついでに、靴屋の在り処を聞いた。
駅の前のロータリーを横切っただけで、スニーカーは水浸しになった。
履物屋で、短長靴を購入。¥3860。


とりあえず、最も近い地蔵の湯へ。
長靴は履いたが、ジーンズの裾を折り返さなかったので、濡れた。
外湯めぐりパスを購入。¥1000。保証金¥500。
湯は透明。
暑いので、やはりゆったり浸かるという気分にはなれない。
まずはさっぱりして、次の目的地へ。


遠いところから回って、駅へ戻るのが合理的と思ったので、鴻の湯へ向かう。
柳の並木のある通りをまっすぐなのだが、割りと距離がある。
冷えたので、途中で、一の湯に寄る。
ここは広いし、かなり豪華。
少しゆったりした気分になる。


そこから、また、ひたすら歩く。
雨、氷雨、霰、という感じで、降っている。
ロープウェイの乗り場を横目に、川に沿って歩いて、漸く発見。
庭園風呂ということで、露天風呂がある。
雪景色を見ながら、温泉につかるのは、かなり気分がいい。
ようやっと、温泉気分を満喫。
ここの露天風呂に入った人は、雪で彫刻をしたくなるらしい。
いくつか作品が並んでいた。


一時を回り、腹も減ったので、昼食を摂ることにする。
蟹には興味がなかったが、途中で見た定食屋の蟹定食に心が動く。
「ぼん」という定食屋に入り、かに定食Cを注文。
かに刺身半身、焼きがに半身、かに汁、ごはん、つけもの、¥3200。
かん酒¥500。
えびかには基本的に食わないので、食べ方がうまくない。
結構苦労しつつ、刺身とやきがにを堪能。
かに汁はごはんにかけて、食べた。


悪戦苦闘しているうちに客が増えたので、ここで退散。
次の御所の湯へ。
ここも広くて、露天風呂あり。
腹も満たされたし、気分も満たされる。


さて、3時ちかくなったので、駅に戻る。
観光地図は、どろどろになったので、すでに廃棄。
とにかく、駅と思われる方向へ歩く。
結局、駅どおりを辿らないと、駅に行き着かないらしい。
お宿案内処に戻り、送迎バスを教えて貰う。
地酒のワンカップと、かに寿司弁当¥1050を購入し、宿へ。


素泊まり、ビジネスプランで予約していたので、何も期待していなかったが、
宿には、文句なし。豪華な老舗旅館だった。
まず、チェックインからチェックアウトまでだが、ゆめぱ貸与あり。
ロビーでは、セルフサービスで、コーヒー、黒豆茶が飲める。
館内は、廊下も畳で、床暖房になっていて、香がたかれている。
部屋は温められて、ゆかた、丹前、羽織、足袋が用意されている。
湯はポットにたっぷり沸かしてあり、冷水のポットもある。
ティーバックは無論、きんつば、おつまみしじみ、黒豆納豆、椎茸の佃煮の
お茶請けセットがある。
これは期待していなかったので、かなり嬉しい。
タオル、バスタオルつき。
しかも、タオルは風呂で代え放題。
流しと、冷蔵庫、トイレ(ウォッシュレット)付。
しかも、あんかで布団が暖めてあった。
素泊まりにもかかわらず、かなり贅沢な気分が味わえた。


もう出かける気はなかったので、大浴場へ。
ここにも露天風呂があり、笠が用意されている。
雪景色の中で、露天風呂でゆったりするのは、最高〜。
冷蔵庫のビールと、買ってきたワンカップで晩酌しつつ、
かに寿司弁当を堪能。
握りとちらしと半々で、なかなかよかった。
もう一度、大浴場を堪能して、早々に、ベッドに入る。


一応、気になったので、テレビで天気予報をチェック。
大雪警報、積雪警報は変わらず。
少々、帰路が心配になる。
外の景色も、すっかり雪になっている。


翌朝、朝風呂に入り、朝食へ。
和定食を予約してある。
¥2000だけど、値段に相応しく豪華だった。
既にテーブルに並べられていたが、中居さんがやってきて、
湯豆腐の炉に火をつけ、あじの干物を焼く火鉢?にも火をつけてくれた。
だし巻き卵、ふぐの昆布漬、サラダ、グレープフルーツジュース、酢の物
漬物、なめこと山菜の赤だし、ご飯、お茶。
十二分に堪能。


ロビーで珈琲を飲み、部屋に戻る。
雪に慣れていないので、どうも浮き足立ってしまう。
早めに出立することにする。
部屋を多少片付けて、フロントでチェックアウト。
駅までの送迎車を待つ間に、ロビーで土産物を購入。
黒豆、ビーフジャーキーに、足袋を3足買った。


まずは駅に出て、電車の時間を変えて貰うことにする。
「大丈夫ですか、雪で?」
とJRの窓口のおにーさんに聞くと、
「木が倒れでもしない限り、平常運行です。
多少遅れることはあっても。」
平然とした回答が返ってきた。
騒いでいるのは、私だけ?
でも、雪だけど。。。
とりあえず、新型車両のこうのとりに変えて貰う。
出発は13:29。
それまで、外湯めぐりに出ることにする。


地蔵の湯で、まず、昨日のICカードを返却。
SUICAに「ゆめぱ」を登録して貰う。
ゆったりと漬かろうと思っても、やっぱり熱いので、30分弱で出る。
鶴の湯へ向かう。
昨日よりも山々が雪に覆われ、霞んで見える。
ロープウェイは当然運休。
温泉卵の暖簾につい気を惹かれ、温泉卵つくりをすることにする。
生卵の最小単位が3個セットだったので、1個を半熟でその場で食べて、
2個は電車で食べようと算段する。
が。。。。
雪が降り積もっているせいか、レシピの時間に引き上げたのに、
とろとろの半熟状態。
しかも、割り方を間違えたので、卵は砕けて、大半はテーブルにこぼした。
迷惑な客だよなあ。


気を取り直して、鶴の湯へ。
ここは遠方のせいか、すいていて、ゆったり気分が味わえる。
でも、やっぱり滞在時間は30分ほど。
御所の湯へ移動。
ちょっと距離があるので、程よく冷えていて、暖まるのに、丁度いい。
ここの露天でゆったり気分を堪能。


さて、腹が減ったので、蕎麦を食べることにする。
行きに何軒か蕎麦屋を見かけたのに、食べたいと思うと、なかなか辿り着けない。
皿蕎麦にしようと思っていたけど、鴨蕎麦に変更。
鴨蕎麦¥1300、地酒しぼりたて生酒¥800
熱い鴨汁に、冷たい蕎麦をつけて食べる。
これは絶品。
似たような蕎麦は食べたことがあるけれど、冷熱感が全く違う。
熱々の鴨汁に、零度以下と思われるほど冷えた蕎麦。
汁にちょっと浸して、冷熱感を味わい、鴨肉と冷酒を味わう。
ここでも十二分に満足。


ここで、1時からのさとの湯に入ろうと思い立つ。
29分しかないけど、どこでも滞在30分なので、ちょっと無謀だけど、
いけるんじゃないかと考える。
酒屋で地酒の生酒を購入し、実家に送り、土産物屋で時間を潰し、
さらに、さとの湯の前で並んで、10分ほど開場を待つ。
開場と同時に、ダッシュで風呂へ。
大浴場で温まり、満足。
が、しかし、ここには階上があった!
もう、ゆったりしている時間はなく、蒸気風呂などをうろついて、
20分後に出た。
こんなにいろいろあるなら、もっとゆっくりしたかった。。。。。


この雪で、出発は遅れるんじゃないかと思っていたが、
窓口のおにーさんが保証したとおり、こうのとりは、定刻出発。
酒屋で買った竹泉とかにせんべいセットと、温泉卵で一杯やりつつ、
車窓を堪能という予定だったが、飲み終わったら、熟睡していた。。。。