能登・富山旅行

大人の休日倶楽部の北陸フリーきっぷを利用したいと、ずっと考えていた。
金沢も富山もいい。
何より、食い物も酒も旨い。
行きたいところはいろいろあるが、結局、初春に能登に行くことにする。
昨年の秋から考え始め、土壇場になって、能登半島、金沢、氷見、立山と決める。

まずは北陸新幹線で金沢へ。
その先は…。
のと鉄道北陸鉄道バス、なのだが…。

バスの路線図と時刻表を眺めてみるが、うまく回り切れない。
それに、能登半島だけに絞れば、問題はないのだが、それでは、富山に出られそうにない。
折角の北陸フリーきっぷなのに、もったいない。
止むを得ず(?)、能登半島は半周として、珠洲和倉温泉、富山に宿泊とする。


北陸フリーきっぷ東京都区内発(¥22000)を購入し、北陸新幹線かがやきの指定を取り、のと里山里海号ゆったりコースを
ネットで予約して、支払(¥1500)を済ませる。


計画としては、
 一日目、北陸新幹線
     能登かがり火
     のと里山里海号
     北陸鉄道バス
     と乗り継いで、珠洲で一泊。

 二日目、北陸鉄道バスで、木の浦まで行って、折り返す。
     のと鉄道で、和倉温泉に行く。
     天候次第で、レンタサイクルを借りる。

 三日目、七尾から羽咋へ行き、
     レンタサイクルを借りて、千里浜を見に行く。
     その後、IRいしかわ新鉄道と
     あいの風とやま鉄道に乗って、
     富山で一泊。

 四日目、金沢に出て、帰路につく。

と、考えたのだが、実際に乗車したのは。


3/6
08:36 東京駅発 かがやき505号
11:10 金沢駅

11:23 金沢駅発 能登かがり火3号
12:15 七尾駅

12:22 七尾駅発 のと里山里海号3号
13:35 穴水駅

13:56 穴水駅前発
       北陸鉄道バス穴水宇出津C線
14:53 宇出津駅前着

15:30 宇出津駅前発
       北陸鉄道バス宇出津珠洲A線
17:04 珠洲鉢ヶ埼着


3/7
09:11 鉢ヶ埼(りふれっしゅ村)発
       北陸鉄道バス木の浦線
09:52 木の浦着

09:55 木の浦発
       北陸鉄道バス木の浦線
10:35 鉢ヶ埼着

11:30 珠洲鉢ヶ埼発
       北陸鉄道バス宇出津珠洲A線
13:05 宇出津駅前着

13:10 宇出津駅前発
       北陸鉄道バス穴水宇出津C線
14:06 穴水駅前着

14:38 穴水駅
       のと鉄道七尾線ラッピング車両
15:11 和倉温泉駅


3/8
10:14 和倉温泉駅発 サンダーバード20号
10:38 羽咋駅 通過
11:18 金沢駅

13:06 金沢駅発 つるぎ710号
13:29 富山駅

14:23 富山駅発 あいの風とやま鉄道
14:51 黒部駅

15:20 黒部駅発 あいの風とやま鉄道
15:50 富山駅


3/9
09:21 富山駅発 つるぎ711号
09:43 金沢駅

11:32 金沢駅発 はくたか562号
14:28 東京駅着


北陸フリーきっぷは、東京(都区内)発なので、横浜線東海道線を乗り継いで、東京駅へ。
GRANSTAでまい泉の玉手箱、KIOSKで缶コーヒーとリザーブ水割りを購入して、かがやきに乗車。


日曜の朝なのに、結構混んでいる。
三人席もほぼ満席。

が、長野駅で大分空いたので、三人席の窓側から、二人席の窓側に移動。

漸く、ゆったりするが、トンネルが多いので、景色はいまいち楽しめない。
Docomoの地図アプリを眺めてみるが、結局、どこだかよく判らない。


二時間半後、金沢駅に到着。
さすがに早い。
米原経由で四時間かかったのに比べると、格段に速い。

能登かがり火に乗換。
乗換時間は13分あったのだが、あまり余裕がなく、弁当を入手し損ねる。
車体にはサンダーバードと記されているが、車内販売なし。


七尾駅での乗換は7分。
迷わず、のと鉄道に辿り着いた。
が、改札の人は既に待っていた。

乗車二十分前集合と書いてあったのだが、振込時に、メッセージも予約番号も記載し損ねたのだ。
面倒がらずに、一報しておけばよかった…、と反省。

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のと里山里海号ゆったりコースは、思ったよりもずっと楽しかった。
 乗車券(復路付)、旅パスポートという小冊子、記念乗車証(絵葉書)がつく。
 更に、おやつ(どら焼き)と水(能登のめぐみ)のペットボトル付き。

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これは後でとても重宝した。

ガイド付きで、車内の設えも綺麗。
窓向きの席はほぼ満席で、予約できなかったのだが、ボックス席を独り占めする。

とはいえ、既に昼過ぎで、腹が減っている。

まずは、車内の売店に行って、つまみとせんべい、地ビールを入手する。

ゆったりコースなので、通常40分のところを70分で走行。
絶景スポットでは徐行又は停車する。
能登中島駅で停車し、郵便列車を見学できる。

ガイドさんが人数確認しているので、うっかり置いて行かれることもなし。
無論、トイレもついている。
(長距離の移動には、これも重要)


穴水駅では、出迎えのイベントがあったが、
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見学もそこそこに、みどりの窓口で「奥能登まるごとフリーきっぷ」(¥3000)を入手する。


乗換時間は21分。
まずは、バス停を探す。
またしても、飯を食っている暇がない。
四季彩々という物産館があるのだが、時間が中途半端な所為か、手頃なものが見つからず、どら焼きと菓子の残りがあるので、無理に購入するのは止める。


バス停で暫し待ち、北鉄奥能登バスに乗り込み、運転手さんに乗換を確認する。
準備万端のつもりだが、発車後、乗換案内等の資料を入れたクリアフォルダーを、みどりの窓口に忘れたことに気づく。


お菓子の残りを食しながら、時折、見える海を眺めながら、宇出津駅前へ。
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バスに乗るまで気づかなかったが、うしつと読む。

ここでの乗換時間は38分。
海まで行こうかと思っていたが、曇天なので、取り止める。

結局、ACOOPで海老フライとマカロニサラダ、牛乳パックを買って、待合室で食べる。


たびスタという能登観光情報ステーションがあり、土産物を売っているので、小瓶に入った泉大吟醸を購入する。


無事、乗り継ぎ、珠洲へ。
海は見えるが、曇天なので、あまりすかっとした気分になれない。

ほとんど乗降もなく、眠ってしまう。
ほぼ定刻に、珠洲鉢ヶ埼に到着。


バス停は、その日の宿泊先、珠洲ビーチホテルの敷地内にある。
チェックインして、再度、バスの時刻を確認し、部屋へ。
夕日を見る予定だったが、小雨模様で、生憎の眺望…。
が、部屋はツインで広く、一人ではもったいない。


小雨の中、浜辺まで行き、近所の元気の湯へ。
宿泊プランに、入浴券が付いている。
夕食は付いていないが、ホテルのレストランで、刺身定食(¥2160)と、ホワイトホースのソーダ割と燗酒小徳利を注文。
思いがけず、刺身、特に鰤刺が美味。

とても満足したので、二階の大浴場に行ってから、就寝。


翌朝、朝食付きで、和定食を選択済みなので、レストランへ行く。
湯豆腐、干物、納豆など。
珈琲などの飲物はセルフサービスで、部屋にも持ち帰れる。


気分はゆったりするが、生憎、天気は今日も小雨。

チェックアウトしてから、ホテル周辺をうろついてみる。
バス停は元気の湯の真ん前なので、移動する。

周囲には、キャンプ地や珠洲焼の設備などがあり、アウトドアを楽しむにはいいだろうが、この季節では人もいない。


北鉄バスに乗り込み、木の浦へ。
最初は、狼煙で降りて禄剛崎へ行く、というプランも考えたのだが、その先のバスがあるのか、ないのか、不明、宿があるのか、どうかも不明なので、単に、木の浦に行って、戻って来ることにした。
折り返しなので、バスも迷わずに済む。


読めない地名のバス停を通り過ぎ、時折車窓から海が見える。
が、結構揺れる。
あっと思った時には、牛乳パックから牛乳がこぼれて、大惨事に。
ティッシュでは間に合わないので、やむなく、運転手さんにお願いして、雑巾を貸して貰う。
すっかり牛乳臭くなり、穴があったら入りたい気分…


とはいえ、無事に折り返し、
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鉢ヶ埼で下車。

乗継には55分あるので、周囲を少し歩き、ホテルで、少々の手土産を買い、手洗いで牛乳を洗い落とし、バスを待つ。


ホテル前の停留所から、乗車すると、運転手さんに行先を尋ねられた。
普通は、急行バスを利用するのだろうけど、接続が思わしくなく、路線バスを乗り継ぐ方を選択した。
昨日来た道を逆に辿って行く。


昨日は眠ってしまって、気付かなかった見附島や、恋路海岸などを横目に通り過ぎて行く。
途中の高校で高校生が乗り込んで来て、満員状態になる。
観光バスでの旅行と違って、こういうところが面白い。


少々遅れて、宇出津駅に到着。
同じ場所から穴水駅行きが出るし、もともと5分しか間がないので、少しばかり待つだけ。

程なくバスが到着、穴水駅へ。
景色は昨日と同じ鈍色だが、より海岸寄りの車線を走って行く。
リアス式海岸を堪能して、穴水駅に到着。


待ち時間は32分。
昨日忘れたクリアフォルダーを回収する。
レンタサイクルを借りようと考えていたが、思ったよりも、観光客が大勢いるので、列車到着を待つことにする。


四季彩々で、コーヒーゼリーと缶コーヒーを購入し、ホームへ。


到着したラッピング車両には、
マジンガーZデビルマンキューティハニーが!!
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なので、和倉温泉駅までそのまま移動。
ほぼ満席で、空いていたのは、デビルマンが窓硝子に貼ってある席。
つまり、景色がよく見えない…


さて、和倉温泉15時11分到着。
予定では、レンタサイクルを借りて、のと鉄道を乗り降りする、だったので、案内所で相談をしてみる。

しかし。
何しろ、然程大きくはないが、荷物がある。
自転車の籠には載らない。

仕方なく、勧めに従って、宿(十番館)に電話して迎えに来て貰う。


中途半端な時間だったのに、宿の御主人は快く迎えに来てくれて、翌日も送ってくれるという。
楽天トラベルで親切と評判なので、選択したのだが、その通りの宿だった。


チェックイン後、一時間ばかり散策し、七福神巡りを試みるが、四つで断念。
宿に戻り、温泉(この時間帯は二階)につかり、六時から夕食。


この夕食も評判通り、豪勢で美味。
鰤の刺身、甘エビ、ゆで蟹、鰤しゃぶ、蒸籠蒸、陶板焼きなどなど…。
天狗舞生酒とともに堪能。
浴衣もいい。
サーモンピンク?の地に菱形の小紋で、生地も厚地。
着こなしに自信があれば、着て歩きたいのだが。


翌朝は、男女入れ替えで、地階の温泉。
少々暗いが、洞窟風呂っぽくていい。
朝食は、ふぐの一夜干し、温泉玉子、湯豆腐などなど、こちらも盛りだくさん。
もう一度温泉に入って、チェックアウト。


駅まで送って貰って、和倉温泉駅から、サンダーバードに乗車。
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今日も曇天。
千里浜には(特に蛤に)、心を惹かれるのだが、そのままサンダーバードで金沢に行き、富山に移動することにした。


ところが。
ここまで順調だった(?)旅が、
突如、不幸に見舞われる!!

金沢駅百番街をうろつき、富山へ向かおうと、つるぎに乗り込んだところで、
財布がないと気づく!!
\(゜ロ\)(/ロ゜)/


小銭入れはあるが、札入れがない。
普段なら、無くなっても惜しくはない金額しか入っていないのだが、今回は数枚の万札が入っている(>_<)
茫然自失…。


とりあえず、つるぎから降りる。
荷物を検める。
宿に電話をして、確認をお願いする。
改札口で訴える。

十番館からは折り返し連絡があり、見つからなかったが、励まして貰う。


宿になければ、サンダーバードしかない。
だが、列車は大阪行き…、
今頃どこを走っているやら…。


窓口で、駅内の忘れ物を確認して貰い、遺失物センターの電話番号を教えて貰う。
急いで、電話をする。
財布の形状、中身などを聞かれるが、大雑把にしか覚えていない(*_*;;
それでも、親切にご対応いただき、後は連絡を待つのみ。


やれるだけのことはやった、
ので、少し落ち着く。

クレジットカード類はもともと別にしてあるので、問題ない。

小銭入れはあるので、当座は困らない。
最悪でも、現金数万円と、ポイントカードが無くなるだけ。


・・・そういや、ビックカメラのポイントをせっせと貯めといたんだよなあ、
・・・ジュピターの珈琲豆のカードも、次で満了になるはずだったんだよなあ、
と、気持が沈んでくる。


とりあえず、富山に移動する。
がら空きのつるぎは、かなり快適。
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が、遺失物が気になって、心から楽しめない。
それに、のんびりする間もなく、二十数分で富山駅に到着してしまった。


午後一時半過ぎ。
漸く、空腹だと思い出す。
きときと市場とやマルシェで、回転ずしの店に入る。

そういえば、この旅行で初めてのまともな昼食、なのであったが、酒を飲む気にはなれず。
地魚五種盛を頼み、無料サービスの味噌汁をよそう。


と、その後入って来た女性客、いきなり鰤を4つ頼む。
釣られた訳ではないが、こちらも、鰤と蛍烏賊を頼む。
かなり空腹だったし、美味だったので、苦も無く食した。

しかし。
おばちゃまは、更に鰤を4つ追加していた。
…適わんなあ、と思いつつ、退散。


気を取り直して、あいの風とやま鉄道に乗ってみる。
・・・混んでいる。

曇天なので、立山連邦も見えず、滅入っている所為で、どこかに行く気力も出てこない。


黒部駅で降りる。
・・・何もない。
駅前にロータリーはあるが、タクシーが停まっているだけで、喫茶店らしきものもない。


少し歩いてみる。
FamilyMartを発見する。
寄ってみる。
ウェットティッシュとアイスコーヒーを購入する。
が。
・・・アイスのカップに、ホットコーヒーを注いでしまった。
やはり、動揺しているようだ。
富山駅に戻ることにする。


早々に、今夜の宿(ホテルクラウンヒルズ富山)にチェックインして、荷物を部屋に置く。

身軽になったので、まずは銀行を探す。
立派なビルを半周して、ATMを見つける。
少々の現金を降ろし、再度、とやマルシェへ。

厄払いに、鰤と蛍烏賊を喰って、日本酒を呑んでやる〜。

日本酒スローフードと謳う方舟という店に入る。
お通しが日本酒である。
好みを伝えると、選んでくれる。
実は、吟醸香のない旨味のある辛口の酒が好み。
冷やは飲めない。
冷酒か燗酒でないと、何故か飲めない。
厄払いと、意気込んで来たとはいえ、あまり多量に飲む訳にもいかないので、100ml単位で、まずは満寿泉冴。

つまみは珍味三種盛と鰤のお造り。
烏賊の黒造、
蛍烏賊の沖漬、
白海老の塩辛(だったと思う)

ちびちび食べながら、
ちびちびと酒を呑む。
…何となく、気分も晴れてくる。

鰤は立山純米で。
さて、蛍烏賊
まだ今の時期は肝が太くないそうだ。
が、頼んだ天ぷらは、旨い。
酒は千代鶴純米吟醸
最後は、氷見うどんで締め。


更に!
朗報が!!
なんと、落とし物センターから電話が入っていた!!! 
慌ててかけ直すと、大阪駅で、無事発見されたそうだ。
現金も無事。
着払いで送って貰えるというので、お願いする。


現金はもう出てこないものと諦めていた。
出てきたとしても、大阪まで取りに行くものだと思っていた。
ほっとしたら、不覚にも泣いてしまった。

世の人々の善意に感謝し、
自分の浅薄な思い上がりを反省しつつ、
自分はいろんな人で出来ているのだ(ピータン風)との思いをしみじみと噛み締める。


翌朝、気分は晴れたにも関らず、小雨が降っている。

無料サービスの朝食を食べて、富山県庁前の公園だけ眺め、富山駅へ向かう。

レンタサイクルの駐輪場があり、まだ新しい自転車が並んでいるが、雨では乗る気分になれない。

トラムともすれ違うが、以前乗ったので、今回は見合わせる。
11時32分金沢発のはくたかの指定を取り、とやマルシェに寄る。

ついでに、富山地方電鉄を、改札から眺める。
少々の土産を購入し(干し蛍烏賊氷見うどん、雄山錦小瓶、ミニ鱒鮨、鰤鮨等)、つるぎで金沢駅へ移動する。

二十数分後には、金沢駅に到着。
富山で食べ忘れたので、まず、白山そばで、白海老かき揚げそば(¥570)を食べる。

金沢のコーヒーは旨い、という記憶があるので、喫茶店に入りたかったのだが、結局、駅にあるカフェ・アルコで、コーヒーを飲む。

百番街をうろつき、俵屋の飴を買い、おみやげ処で、カップ酒を買い込む。
麩饅頭や、かぶら寿司など、欲しいものはいろいろあったのだが、重くて持てなくなったので、諦める。
新幹線のホームへ移動する。

キオスクで、加賀棒茶、立山本醸造カップを購入し、はくたかに乗車する。
車内販売で、鰤っこジャーキー、蛍烏賊素干を購入、更に、加賀鳶、越前かにめしを追加購入する。

やっぱり、駅弁は電車の中で喰うのが旨い。


2時間48分後東京駅に到着。
天気には余り恵まれず、(北陸の人には普通の天候のようだが)、多少、というよりも、多々失敗はあったが、それなりに楽しく、有意義な旅であった。