フランス語を習えども。。。

最初にフランス語を覚えようと思った時から、かれこれ四十年は経っている。

その間ずっと学んでいた訳ではないが、全く進歩していない。

三歩進んで二歩下がる、どころか、四歩は下がるような気がする。

大体、シャンソンは聞かないし、フランス映画も見ない。

フランス文学が好きかっていうと、別にそうでもない。

 

そもそもは、「星の王子さま」を原文で読んでみたかったのだと思う。

中学生の頃だったか、何の知識もなく、神田まで出掛けて行った。

原書の”Le Petie Prince"を探し出し、コンサイスの小型の辞書を買った。

書店主は、この辞書では無理だよ、と忠告してくれたと記憶しているが、何しろ、普通の辞書を買うような金を持っていなかったのだ。

それに、辞書さえ引けば解読できると、安易に考えていた。

だが、辞書の解説を読んだくらいでは、フランス語文法は理解できない。

理解できる人もいるのかも知れないが、英語も日本語も碌にできない私には無理だった。

まず、動詞が引けない。

主語に応じて活用するのはともかくとして、時制を理解していない。

名詞に男性名詞と女性名詞があるのも、理屈ではないので、致し方ない。

だが、形容詞が性数一致することまでは知らなかった。

さらに、冠詞がついていれば名詞かと思えば、さにあらず。

定冠詞le、la、lesは人称代名詞と同形で、目的語として動詞の前に置かれる。

早々に、挫折して、以後数年、大学の語学で選択するまで、放置していた。

 

では、大学時代には、真面目に勉強していたのかというと。。。

記憶にない。

そこそこ努力はした筈(単位を取る為に)なのだが、思い出すのは、「こんなの、覚えられないよ」と思っていたことばかり。

Ⅰ群、Ⅱ群の基本の活用はともかく、不規則動詞はお手上げ。

avoirとallerの紛らわしい活用に、「これ、入換えればいいのに」、と余計なことを考えていたお陰で、未だに間違う。

「尼僧院に捨ててくれればよかったのに」と嘆く、ジェルーシャの気持がよく判る。

中級で”Le Petie Prince"の講義を取ったのだが、何を習ったのやら、何も思い出せない。

とりあえず、成績はともかくとして、卒業に足りる単位は取得した。

多分、当時は、半過去、大過去、単純過去まで習ったと思うのだが、半過去の点線しか思い浮かばない。。。。

今さらながら、もっと真剣に学んでおけばよかった、と後悔する。

 

その後も、断続的に、続けてはいたが。。。

ソニーランゲージ、教育文化会館、日仏学院、朝日カルチャー、等。

どれも、初心者コースを始めるのだが、二、三カ月で、挫折してしまう。

考えてみれば、当たり前なのだが、初心者から初級に至るには、幾つかの壁があり、自助努力が必要なのである。

 

まず、名詞。

男性か女性かは、理屈抜きで覚えるしかない。複数形が異なるのも、覚えるしかない。

とはいえ、歳を取ると、なかなか覚えられない。

若い時に覚えたものは、割に自然と出て来るのだが、それもごく僅か。。。

因みに、三十年前の辞書を使っているので、載っていない言葉がある。

(笑い事ではないのだが、笑って済ませる。放置してはいけないのだが)

 

次に形容詞。

性数一致も、理屈抜きで覚えるしかない。

 

副詞は置いといて、動詞。

活用は、理屈をこねても仕方がない。覚えるだけ。

難題なのは、叙法と時制。

日本語は厳密に時制を区別するようにできていない。つまり、日本人にはあまり時制の概念がない。だから、細かい区分は難しい。

八つの単純時制+八つの複合時制があり、主格に応じて六種類の変化をする。

つまり、動詞一つにつき、少なくとも42の活用と、命令法3、過去分詞1を覚えなければならない。

さらに、現在分詞とジェロンディフなるものがある。

一つの動詞につき、不定詞を含めて、合計48の形がある。

 

では、これで終わりかと思うと、次に、代名動詞が出て来る。

直接目的と間接目的の問題がやって来る。

中性代名詞が登場する。

さらに、関係代名詞、etc。。。。

どこまで行けば、この山が越えられるのか、判らなくなってくる。。。