青森・浅虫温泉・十和田湖
恒例の大人の休日倶楽部パスの時期がやって来る。
さて、どこに行こうか?
行先を決められないまま、日々が過ぎていく。
そうだ、十和田湖に行こうと思い立つ。
十和田湖には、言わずと知れた高村光太郎の「乙女の像」がある。
若い頃から一度は行ってみようと思いながら、今まで機会もなかった。
経路としては、朝東京駅から東北新幹線に乗り、八戸でJR東北バスに乗り換えると、夕方、十和田湖休屋に着くようだ。
二泊すれば、丸一日、十和田湖で遊べる。
それより、福島に寄って、安達太良山を眺めるのもいい。
智恵子の青い空も観たい。
九十九里浜にも寄りたい。
天気が心配だが、こればかりは梅雨なので、仕方がない。
あれこれ考えたが、結局、青森で一泊してから、早朝のJR東北バスで十和田湖に行き、一泊。翌日八戸経由で盛岡に出て、東京に戻ることにした。
宿の予約を入れたのは、二日前の深夜で、ほぼ前日。
あまり選択肢がない。やはり、こういうものは、余裕をもって手配した方がいい、と反省。
6月28日、雨の中を出発。
朝9時に東京駅に着。
指定が取れたのは、10:04のはやぶさ。
一時間あるので、郵貯のATMを探しに行く。
何しろ、間近になって決行したから、手許不如意なのである。
僅かながらも所持金が増えると、気が大きくなる。
駅構内に戻り、駅弁祭で、平泉うにごはん¥1200と日本酒(梵)¥350を購入。
とても旨い。
ホームに行き、はやぶさの到着を待つ。
10:04 東京発 東北新幹線はやぶさ51号
13:27 新青森着 13:20着予定だったが、少々延着。
13:49 青森着
青森駅のねぶた
晴れている。
まずは、観光案内所で、翌日の十和田湖行きのバスを確認する。
とても親切に説明してくれた。
予約ではなく、当日にチケットを購入して乗車する。
バスの時刻表も貰い、二日間のフリーきっぷ¥5000も教えて貰う。
フリーきっぷなら、途中下車できて、八甲田ロープウェイに乗れる。
となると、早朝のバスに乗ると、必然的に予定が決定する。
とりあえず、浅虫温泉に向かう。
14:33 青森発 青い森鉄道
14:57 浅虫温泉着
駅の観光案内所で、日帰り温泉を確認。
高い所からなら岩木山が見えると言うが、丘の登り降りは無理なので、海づり公園の方に降りる。
湾の向うに、大きな山が見える。
写真だと遠く小さくしか写らないが、肉眼では、かなり大きく高く見える。
岩木山である。
歩道橋の上から。遠くに岩木山。
ゆーさ浅虫で、展望温泉に入る。¥350。
石鹸などの備え付けはないというので、りんご石鹸¥270を購入。
4階にある浴場からは、景色がよく見える。
待っていれば、入日も見えそうだ。
が、空腹になったので、階下のサンセットレストランへ。
牛バラ焼定食¥980と生ビール¥500を注文する。
牛バラ焼きは、すき焼き風で、初めは生卵をつけて、その後、残り溶き卵を入れて、卵とじにして食べる。
肉は少々堅かったが、たれが甘めの濃い味で、結構旨い。
17:35 青森着
青森駅に着くと、なんと! 四季島が停まっていた!
回送中だったのか、乗客はなし。
いつか乗れるといいのだが。。。。
とりあえず、荷物が邪魔なので、ホテルにチェックインする。
本日の宿は、ホテルアベスト青森、素泊り¥3000。
フロントから宿泊階まで階段なので難儀したが、一泊¥3000だし、まだ、荷物は重くないし、早朝出発予定だし、コンセントもTVもスタンドもあって、文句はない。
まずは、アスパムの展望台を目指す。
展望台は13階にあり、入場料¥400、自販機の飲物付。
360度の眺望を楽しめる。
ここからも、岩木山がよく見える。
写真を写したかったのだが、前にある建物が邪魔なので、断念。
青い森鉄道からも見えていた雪渓の残る山は、八甲田山だと判明。
早朝なら北海道も見えるようだが、ちょっと判別がつかなかった。
だが、残念ながら、展望台の営業は19時まで。
日没は19時15分頃なので、19時5分前に、階下に見える青い海公園に移動する。
フェリーに沈む夕日になってしまったが。。。
夕食が四時だったので、小腹が空いている。
やはり、帆立を食べねば。と思い立ち、新町通に戻る。
帆立専門という看板に惹かれて、柿源に入る。
貝は好きなのだが、刺身ではなく、火を通したものが好物。
特に帆立はバター焼きが大好物。
なので、帆立バター焼¥1250、塩辛¥500、日本酒亀吉¥700を注文する。
とても大きな帆立で、大満足。
翌朝、5時半にチェックアウトする。
前日、朝5時から開店している喫茶店があると確認しておいたのだが、行ってみたら、吉野家だった。。。
やむなく、ローソンに行く。
店内にイートインスペースがあるので、そこで朝食。サンドイッチ、アイスオレ、牛乳寒天。
JR東北のバスは、7時50分発。まだ時間があるので、ドトールでホットコーヒーを飲み、7時20分頃に券売機へ。
係りの人が立っていて、不明なことを説明してくれる。
停留所には7時前から立っている人が数人。
時間とともに、増えていく。
青森空港行きのバスに乗った人もいるが、十数名は十和田湖行きのバスが目的のようだ。
行列の後方から、みずうみ号
07:50 青森駅前発 JR東北バス みずうみ2号
09:07 八甲田ロープウェイ着
八甲田ロープウェー山麓駅
09:20 八甲田ロープウェイ山麓駅 八甲田ロープウェイ
09:30 八甲田ロープウェイ山頂駅
ロープウェイは20分ごとに運航、所要時間10分。
次のバスが一時間後なので、山頂滞在は、残念だが、10分間のみ。
展望台によろよろと登って、360度の絶景を眺める。
天気予報では、北海道まで見えるとあったが、よく判らなかった。
雪渓がまだ残っている。
空気が澄んでいて、とても気持ちがいい。
一時間くらいぼうっとしていてもいいような気もするが、トレッキングなどをするような体力がないので、早々に降りる。
09:40 八甲田ロープウェイ山頂駅 八甲田ロープウェイ
09:50 八甲田ロープウェイ山麓駅
八甲田ロープウェイ
少々時間の余裕があるので、焼きたけのこ¥200を食べる。
筍ではなく破竹というものらしいが、ほくほくしていて、たけのこ独特のえぐみも感じられ、とても美味。
みずうみ4号
10:07 八甲田ロープウェイ JR東北バス みずうみ4号
十和田湖温泉郷に入り、奥入瀬渓流に沿って、バスが走って行く。
遊歩道も渓流沿いにあるらしく、トレッキングをする人々(主に年配者)の姿が見える。
新緑の緑がとても美しい。
渓流の流れが清冽で、滝や早瀬があり、歩いたら楽しそうなのだが。。。
バス停は2km間隔程度で、いくつかあるようだ。
足腰に自信があれば、渓流沿いに歩きたいところだが、そんな体力はないので、バスの中からの鑑賞に留める。
11:56 十和田湖休屋着
とにかく空腹だったので、停留所のそばのレストハウスに入る。
お店の人が荷物を預かってくれると言うので、階上のレストランへ。
姫マス塩焼き¥850、稲庭うどん¥850、雪中貯蔵¥650。
ここは現金のみと言うことなので、郵便局を探しに行き、遊覧船に乗る。
十和田湖遊覧船は、休屋発着(50分)と、休屋~子ノ口(50分)の二種類あって、両方乗りたかったのだが、結局、休屋発着の遊覧だけにする。
十和田湖遊覧船
14:05 十和田湖休屋着
遊覧船から観た「乙女の像」
天気がよく、湖水も景色も堪能する。
レストハウスに戻り、土産物を購入、発送を依頼してから、宿へ。
チェックインには少々早いのだが、荷物が邪魔なので、預けたい。
本日の宿は、ホテル十和田荘。部屋お任せプランで、一泊二食付き。¥8500。プラス入湯料¥50・入湯税¥150。
少々湖から離れている(徒歩5分程度)が、広いし、由緒あるホテルのようだ。
三時まで、ラウンジでコーヒー(¥400)を飲んで待つ。
部屋まで案内してくれて(※館内は複雑なので、案内は必要な気がする)、いろいろ説明してくれるが、年寄りにはいっぺんに覚えられない。。。。
さて、お任せの部屋。十二畳の和室。トイレ(ウォシュレット)・バス付。
いつもは和室は避けるのだが、今回は直前予約だったので、和室でもいいやとお任せにしてみた。
久し振りに、旅館! というものに泊まったと実感する。
悪くない。それどころか、とてもいい。
一人では少々広過ぎるが、気分がゆったりして、快適。
荷物を置いて、「乙女の像」を見に行く。
高村光太郎の、とても有名なこの像を見たい、と思ってから。。。、
既に、半世紀近く年月が経ってしまったような。。。?
湖畔沿いの小道を歩く。
「乙女の像」に到着。
意外と、というか、予想通り大きい。
この像の来歴は、十和田湖の開発等に功績のあった人々を讃える記念事業のようだ。智恵子へのオマージュだとばかり思っていたので、意外な気がした。
「乙女の像」から二分程と標識があるので、十和田神社に向かう。
羊歯が生い茂り、甘い香りが漂う。
新緑の青臭さの中に、少し土臭さが混じり、その中に甘い香りが匂っている。
香水の中に、苔だの羊歯だの土?だのとあるのが不思議だったが、初めて納得する。
人気もない森の中を歩いて行くと、暫くして、鳥居が見えてくる。
十和田神社に辿り着いたようだ。
手水舎の龍の口から水が出ている。
手を浄めようとすると、何かの鳴声が!
え、龍が鳴いた?
と慌てたが、そんな訳はない。
。。。蛙のようだ。
狛犬の鎮座する鳥居をくぐり、石段を登る。
段数はそれ程でもないのだが、一段が高くて、難儀する。
漸く登って、神前に向かい、お参りする。
参拝の仕方が書いてあったので、その通りに参拝するが、祈願するのを忘れてしまった。
ので、鈴を買う。
厄除・健康・身代り守となっていて、綺麗な音がする。
杉並木を辿り、商店街に出る。
歴史散歩コースを通って、宿に戻る。
まずは、大浴場へ。
御倉とカルデラの二種類があり、本日は、御倉。
浴場に行く道すがら、十和田湖の成り立ちの模型があって、ブラタモリ気分を味わう。
広い湯殿に、ジャグジと打たせ湯があって、楽しい。
露天風呂もある。
お湯はそれ程熱くないので、ゆったりと浸かっていられる。
夕食は六時から。指定の会場へ。
個室に分かれていて、ここでも、気がねなく、ゆったりと食事ができる。
ので、気がねなく、リザーブの炭酸割を頼む。
夕食。この右に握り鮨、左にデザートがある。
豚バラ焼き、というのだと思うが、すき焼き風。
生卵をつけて食べる。
豚ロースのような肉が2枚。旨い。ボリュームも十分。
さらに、きりたんぽ。甘味噌で食べる。
これも美味。
この上、蕎麦とご飯がつく。
ご飯は断ったが、蕎麦は三口程と勧められたので、食べてみた。
しょっつるなのか、少々変わった味がする汁だが、旨い。
とても満足して、腹いっぱい、ほろ酔い加減で、土産物を物色してから、部屋に戻る。
蒲団が布いてあったので、横になったら、そのまま眠ってしまった。
目が覚めたら、12時半。
大浴場は12時までなので、風呂には行けない。残念。
とは言え、翌朝は5時半から入湯可能なので、BSを見たりして、時間を潰し、再び眠る。
6時十分くらい前に大浴場に行くと、既にひと風呂浴びて部屋に戻る人達と、すれ違う。
割と早めに行動しているつもりだが、更に早い人達がいる。
というか、朝早く活動している?
年齢とともに自分もそうなっているのではあるが。。。。
今日は、カルデラの湯。
ローマ風呂風で楽しい。
露天風呂に入ると、羊歯の香りがしてくる。
新緑の中の風呂は、思いがけず、癒される。
朝食は6時45分から。
和食。
ご飯と味噌汁、飲物はセルフサービス。
ほかに、シチュー、パンなどが用意されている。
パンも食べたい。
のだが、満腹したので、食後のコーヒーだけを2杯飲む。
7時半過ぎにチェックアウトする。
勘違いして、八戸駅行のバスは8時半と思い込んでいたが、実は8時発のが八戸駅行きで、8時半発は青森駅行だった。
早めに出たので、丁度間に合ったのだが。。。
おいらせ20号
乗車時間は2時間。
08:00 十和田湖休屋発 JR東北バス おいらせ20号
奥入瀬ロマンパークで10分休憩。
飲むヨーグルトを購入。ついでににんにくを少しだけ買ってみたのだが、匂いがきつく、その後、難儀した。
今日も天気がよく、景色がよく見える。
奥入瀬ロマンパークからの景色
10:15 八戸駅前着
定刻前に八戸駅に到着。
みどりの窓口に行くが、東京行きの新幹線の指定に空きがあるのは、12時発以降になってしまう。
とりあえず、盛岡まで出て、わんこそばでも食べようかと考える。
11:08 八戸発 はやぶさ16号
11:44 盛岡着
盛岡には着いたが、暑い。
指定が取れたのは、15時17分発のはやぶさ。
まだ、腹も減らず、わんこそばを食べる気分にもならない。
駅の周囲をうろうろしてみる。
IGR銀河鉄道の表示を見て、乗ってみることにする。
IGRいわて銀河鉄道の改札に行って、3時までにどこまで行けるか訊いてみる。
迷惑な客のような気がするが、とても親切に教えてくれ、時刻表も貰えた。
とても嬉しい。
12:41 盛岡発 IGRいわて銀河鉄道
13:00 好摩着
八戸から乗ればよかったのだが、そんな予備知識がない。
この時刻発だと、好摩駅が終点である。
ググってみると、好摩駅から石川啄木が乗車したと書いてあった。
ので、降りてみることにする。
天気がいいので、ここからも山が大きく見える。
いわて山のようだ。
腹も減ったので、昼食を摂ることにする。
駅から数十メートルのところに寿司と定食という看板を見つける。
山菜巻¥600と生ビール¥550を注文する。
この三種の山菜巻がとても美味しかった。
少々塩気が強いが、夏に歩いた後には丁度いい。
山菜の味もしっかりしている。
山を写そうと1ブロック歩いてみるが、建物が邪魔で、うまく写らない。
結局、駅の待合室の窓に撮影ポイントがあって、そこから写した。
いわて山
14:27 盛岡着
先程質問した駅員さんが改札にいらしたので、会釈だけして通り抜ける。
気にして下さったようだ。今度はきちんと乗りに来よう。
15:17 盛岡発 はやぶさ58号
17:32 東京着
少し曇っているが、雨も降っていない。
結局、雨傘を持ち歩いていたが、家を出た時に指しただけで、今回の旅行は天気に恵まれていた。
それに、偶然とはいえ、とてもいい季節を選んだようだ。
新緑がこれ程美しいものだとは知らなかった。
あまり無理せず、気侭にぶらぶらとしたが、あちこちで、親切にして貰った。
おもてなし、人と触れ合うことの大切さ、をしみじみと感じた。