オスマン帝国外伝
チャンネル銀河で、オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~を放映していた。
トルコで制作されたドラマで、史実に基づいたフィクション、と謳われている。
オスマン帝国第10代スルタン・スレイマン大帝と皇妃ヒュッレムの話である。
深夜の時間帯は起きていられないので、午後4:30からの再放送、それも全てを見た訳ではないのだが、割と楽しみに見ていた。
ところが。
今日(11/10)が第1シーズンの最終回だった。
しかも、とんでもなく中途半端なところで終わってしまった\(◎o◎)/!
その1
ヒュッレムは、イブラヒムに選択を迫られ、猛毒をたっぷり振りかけた菓子を、泣きながら指につまんだ。
かつての許嫁レオとの一件をイブラヒムに察知されて、死罪か、自害か、を迫られたのである。
その2
ハンガリーから送り込まれた暗殺者ヴィクトリアが、スレイマンに刃を突き付ける!
さっさと首をかき切ればいいのに、と思うのだが、そこはドラマなので、突き付けたところで終わって、余韻をもたせている??
シーズン2の放映は未定のようだが。。。
まあ、史実を踏まえているのなら、概ね、先は解ってはいるのだが。
西洋史として知っていたのは、
オスマン帝国の大軍がウィーンに迫るが、この時、漸く、相争っていたキリスト教緒国が一致団結?し、オスマン軍を退ける。
スレイマンの後を襲うのは、セリム2世である。
若かりし頃読んだ塩野七生の著作によれば。。。
ロッサーナ=ヒュッレムは、第一夫人を始めとして、側女たちを退け、ほぼ一夫一婦制の状態に持っていき、初めてオスマン帝国の正妃となる。
ヴェネティア元首の庶子アルヴィーゼ・グリッティは、ハンガリー王国の総督となるが、その後に起きた暴動で落命する。
イブラヒム・パシャは奴隷の身から鷹匠頭、小姓頭と出世し、遂に大宰相となるが、後に、処刑される。
スレイマンの第一皇子も処刑される。
ヒュッレムは、我が子を皇太子にする為に、邪魔者を排除したと噂された、らしい。
ちなみに、ロクサーナ(ヒュッレム)は、美人ではないが、愛想がよく、陽気だったようだ。
あるいは狡賢いとも評された。
オスマン帝国には「デヴシルメ」=奴隷徴用という制度があり、スルタンという絶対君主のもとに、意外に平等な世界だったようだ。
デヴシルメで徴用され、英才教育を受けた奴隷たちが、名高いイェニチェリという精鋭軍団で出世し、あるいは大臣、大宰相となることも可能だった。
とはいえ、絶対君主のスルタンの機嫌を損ねれば、大宰相と言えど、処刑されてしまう。
ちなみに、身分の低いものは斬首され、身分の高いものは絞殺されるらしい。
ハレムもしかり。
スルタンの側女は全て奴隷で、第一皇子を産めば第一夫人となり、つぎに皇子を産めば第二夫人になる。
夫人になれるのは、コーランの教えにより、第四夫人まで。
ハレムで絶対権力を振うのは、スルタンの母后である。
数多の側女を持つことができても、母親は一人しかいないからだ。
征服王メフメト二世が始めた悪習により、スルタンの代替わりの際、帝位に就けなかった皇子たちは殺されてしまう。
妊娠している可能性のある側女たちも同じ運命を辿ったようだ。
(多分、記憶によると。なので、定かではないが)
となると、ヒュッレムの策謀も致し方がないのだろう。
第一夫人を陥れ?、さらには追放してしまう。
だが、まだ第一皇子が残っている。
ハセキ・スルタン=皇后の地位に就いたとしても、自分と子ども達の生命の保証はないのである。
さて、ドラマ「オスマン帝国外伝」。
どの程度、史実に忠実なのかは、定かではないが、観ていて楽しい。
トルコ語は全く分からないが、登場人物の表情が判り易い。
怒っている、嫌だと思っている、機嫌が悪い、悲しい、など、表情豊か。
近頃のドラマのように、幾つかの場面が並行して現れるが、興味を惹くように思わせぶりではあっても、筋は判り易く描かれている。
ある意味、安心して見ていられる。
そして!!
トプカプ宮殿の内部、庭、バルコニーからの景色、金角湾の花火、豪華絢爛たる衣裳に装飾品!
ハマム(トルコ風呂)の様子に、お菓子、食物、器、などなど、興味は尽きない。
意外だったのは、ハレムの女性達の衣装はドレス風で、ハーレムパンツは履いていない。あれは、アラブの風習だったのか???
さらに意外なのは、スレイマンの趣味が彫金!!??
それに、でっかい指輪を親指につけている。
邪魔にならないかと思うのだが、何か意味が籠められているのかも知れない。
そして、ターバン!!
(巻いていないのは帽子なのかも知れない)
ふかふかの縫いぐるみみたいになっていて、金糸の刺繍がしてあったり、でっかいエメラルドとルビー(多分)が飾ってあったりと、こちらも豪華絢爛!
ついつい身を乗り出して見てしまう(笑)
ところで。
興味深いのは、トルコのドラマなので、オスマン帝国サイドで描かれている、
ということ。
今まで、ロードス島の攻防など、欧米サイドの番組しか見たことがなかった。
つまり、半月刀を振りかざしたトルコ服のおっちゃん達を、ロードスの騎士がばったばったとなぎ倒していく場面である。
史実はその通りのような気もするが、このドラマでは!
若くて!イケメンの!イエニチェリの兵士が、騎士たちを次々と倒していく場面が!!!!
なかなか貴重な場面だった(自分的に)
それはさておき、ヒュッレムは。。。
さらわれた当初(=奴隷となった時)は、怒る、喚く、摑みかかる、トルコ語は喋れない、という山出しの田舎者なのだが。
ハレムで教育され、ニギャール女官長に唆され?、何故か、ハレムの頂点に立つという野望を抱く。
思惑通り、スレイマンに寵愛されて、子どもをもうける。
トルコ語も上達し、洗練されていく⇒狡賢くなっていく、ようだ。
第一夫人マヒデブランとの凌ぎあいが、なかなか凄い。
(このドラマの主題なのかも知れないが)
マヒデブランも、第一皇子の母親なのだから、鷹揚に構えていればいいのに、頭に来たからと、ぼこぼこに殴ったり、数限りなく、いけずをする。
結局、あれこれちょっかいを出しては、痛烈なしっぺ返しを食らっている。
ヒュッレムは、怒りを抑えて、女官や宦官の忠告を聞き入れ、側女たちの機嫌をとることも覚えて、狡賢く立ち回って、優位に立っていくのである。
ところで、ヒュッレム、陽気という意味らしい。
歓びをもたらすもの、とかいう詩的な意味かと思っていたら。。。。
ドラマでは、なんと!
トルコ語がうまくないのを逆手にとって、言いまつがいをしたり、物真似をしたり、、つまりは、お笑いでスレイマンの機嫌をとったのである!!
おもろい奴、という意味だったとは、知らなかったよ!(◎o◎)!
一方、イブラヒムに双子の兄がいるのは、史実かどうかは知らないが。。。
一人二役で、ちょっと笑えた。
ドラマで、ヒュッレムと対立する経緯は、どうやら見逃したようだ。
ヒュッレムが一方的に罵っているのかと思っていたが、、、
最後に及んで、敵意を丸出しにしていた。
この二人の確執も、根深そうだ。
・・・でないと、ドラマが進行しないか??
シーズン2も観たいが、シーズン1ももう一度観たい。
48話は結構長いので、一気見はいやだけどなあ。。。