二本松(智恵子の生家・記念館と智恵子の杜公園)
今回のパス旅では、懸案事項となっていた二本松行きを実行するつもりでいた。
できれば、初夏の方がいいのだが、いつまでも懸案にしていても仕方がない。
宿泊を絡めると、実現し損ねそうなので、日帰りで実施する。
08:28 東京駅発 なすの253号
10:01 郡山駅着
10:34 安達駅着
バスで智恵子の生家まで行きたかったのだが、残念なことに適当な便がない。
やむなく、安達駅から徒歩で行くことにする。
地図アプリによると、距離は1.6km、ゆっくり歩いて30分程である。
安達太良山は、郡山駅あたりから見えていたのだが、まだ阿武隈川が見えない。
残念なことに、安達太良山には安達駅に着いた頃から雲がかかり、裾野の方しか見えなくなってしまった。
時折自動車とすれ違うが、人も歩いていない。
畑や空き地があり、家々も密集していない。
子どもの頃はこんな風景だったなあ、と思いながら、地図アプリを頼りに歩いて行く。
割と大きな地震だったようで、どきり、とするが、特に周囲の景色に変わりもない。
気にしないことにする。
30分程で、「八軒」という停留所に辿り着く。
まずはバスの時刻を確認しておく。
11:00のバスを先刻見掛けており、次は、12:50。
その次は、14:35なので、12:50のバスに乗り損ねると、再び徒歩で、安達駅まで戻ることになる。
智恵子の生家は、大きな案内標識が立っていて、さすがに、迷うこともなく見つかった。
入館料¥410。
併設の「智恵子記念館」にも入場できる。
造り酒屋だった長沼家が再現されているらしい。
光太郎の詩からは、二人が貧しい生活を送っていたように感じられるのだが、光太郎も智恵子も、金持ちのぼんぼんやお嬢だったようだ。
生家の庭から、「智恵子記念館」に続いている。
こちらには、切り絵が展示されている。
思ったよりも展示作品は少なかった。
季節で展示品を入れ替えているのかも知れない。
切り絵の絵葉書とハンカチを購入する。
さて、ここから「智恵子の杜公園」の先にある展望台に向かう。
案内図を確認すると、徒歩で20分はかかるようだ。
いきなり急斜面の階段があって、暫し躊躇する。
もう一度、案内図と地図アプリを確認する。
通りすがりの人に、「遊歩道はこちらですか?」と尋ねてみる。
親切なその人は、ここを登る方が見どころがいろいろある、と教えてくれた。
・・・・
仕方がない。
折角、ここまでやって来たのだから。
という訳で、急な階段を登る。
登ると、小さな神社(稲荷八幡神社)がある。
これで難所は過ぎたかと考え、一応、拝礼だけして、奥に進む。
公園として整備されているようで、緩やかなコンクリート造りの階段がある。
上から、祖父と幼い孫という風な二人連れが降りて来る。
幼児が歩いているのだから、残りの道のりは楽なのだろうと勝手に思い込み、
「展望台は、この先ですか?」
と気楽に尋ねてみる。
「まだまだずっと先」と、気の毒そうに、この先の道筋を教えてくれる。
意外な答えに茫然とするも、気を取り直し、階段を登って、彫刻のある公園に辿り着く。
この先に展望台があるのだろうと、先を急ぐ。
Σ(・ω・ノ)ノ!。
急な降りと登りが、目前に!!!
心が折れそうになったが、ここで挫けては、何の為にここまで来たのか判らない。
自分を励まし、降って、登る。
汗だくになって、「鞍掛石舊跡の碑」とやらに辿り着く。
ここから見えるのが、多分、阿武隈川。
川の流れの全容は見えず、白く光る川筋が少しだけ見える。
樹下の二人は、安達太良山と阿武隈川を同時に見ていたのではない、と思うのだが、展望台からは同時に見えるらしい。
ので、展望台を目指してきたのだが・・・
安達太良山には雲がかかり、展望台に辿り着いても、多分見えない。
それに!!
もう一度降って、登らないと、展望台には辿り着けないことが判明した。
いや、もう、これでいいや。
さらに、バスの時間まであと三十分になってしまっている。
このバスを逃すと、1時間半以上待たねばならない。
車道を降って、バス停まで戻ることにする。
一応、空を見上げて、智恵子の青い空を眺める。
バス停までは降りなので、二十分足らずで辿り着く。
乗り損なわないように、時刻前からバスを待つ。
が、定刻になっても、バスが来ない。
待っていると、寒い。
タイツを履き、セーターとダウンを着てきたが、それでも寒い。
日当たりのいいところに移動しようかと考えていると、漸くバスが見えてきた。
二本松駅までは、バスで十分程で、二本松駅入口で下車する。
乗車賃は¥290。(福島バス)
東北本線に乗る前に、まずは、腹ごしらえをしようと思う。
数件の飲食店が目に入ったが、駅前の定食屋で、担々麺¥720を注文する。
あまりに寒かったので、ウィスキーの水割りS¥420も追加する。
この後は、山形新幹線に乗って、蕎麦を食べに行こうと考えていた。
14:02 二本松駅発 東北本線
14:25 福島駅着
14:35 福島駅発 つばさ139号
15:50 山形駅着
しかし、山形新幹線の座席で、牛めしの駅弁が買えるというチラシを見てしまった。
日頃しないような運動をしたうえに、寒かった。
と、なれば、蕎麦よりも牛めしに軍配が上がる。
とりあえず、車内販売で、りんごのパウンドケーキとコーヒーのセット¥500を購入して、おやつにする。
山形駅に到着し、まずはNEWDAYSで、ポケットティッシュなどを購入する。
ついでに、出羽桜も購入。
改札を出て、みどりの窓口で指定券を入手し、エスパルで弁当などを物色してみる。
ここで入手した「さくらんぼのふるふる」というゼリーは、さくらんぼ(くき付き)がたくさん入っていて、とても美味だった。
さて、「牛肉どまん中」は食べたことがあるので、違う駅弁にしようと思う。
改札の手前の弁当売りで、「山形特選牛めし」¥1200を購入する。
つばさに乗り込むと、車内販売が牛肉どまん中の注文を取って廻っていた。
受注方式らしい。
駅弁は入手済みなので、高清水¥320とアイスクリーム(キャラメルヘーゼルナッツプラリネ)¥350を購入する。
この山形特選牛めしには、さくらんぼの酢漬け、モリアザミとしめじの醤油煮などが入っていて、とても楽しい。
もちろん、美味しいので、とても満足した。
17:50 山形駅発 つばさ154号
19:48 東京駅着
家に帰り着くのが少々遅くなったが、珍しく土曜日に出掛けたので、通勤ラッシュには遭わないで済んだ。
平日どのくらい混んでいるのかは不明だが、なすのもつばさも空いていたように思う。