群れるチーター オルパダン

ワイルドライフで、5頭のチーターの群れのその後が放映された。

タイトルと予告編を見ると、遂に、群れは分裂したようだ。

チーターの5頭の群れは珍しいのだから、と自分に言い聞かせながら、放送を見る。

・・・

 

5頭の名称は、オルパダン(狙撃手)、ウィンダ(狩人)、レボー(補佐役)、オラリシャニ(審判者)、オルニョク(努力家)。

 

オルパダンは群れのリーダーだった。

彼だけが血縁関係がない。

力で群れを統率していたが、ある日、ウィンダとオラリシャニにリーダーの地位を乗っ取られた。

その時負傷した元リーダーを、群れは追い出しもせず、養っていた。

前回の放送は、完治したオルパダンの狩りの成功を映して、終わっていた。

群れはこのまま持続するのかと思っていた。

 

のだが。

その後、オルパダンは群れから離れることが多くなり、遂に、マサイマラから去っていった。

残された4頭は、それでも2週間、オルパダンの帰還を待っていたようだ。

しかし、遂に4頭となったことを受け入れ、待つことをやめた。

血縁関係のある4頭の群れは、珍しいが、兄弟で行動することが多いチーターには、そう不自然ではない。

1頭のチーターはごく普通のことだ。

 

しかし、オルパダンは若い雄(キシャナ)を伴って、マサイマラに戻ってきた。

どうやって、連れて来たのかは不明だが、オルパダンには群れを形成したいという意欲があるようだ。

それに以前の負傷は完治したのかと思っていたが、そうではなく、狩りの補助が必要だという必要性に迫られた選択なのかもしれない。

壮年の雄と若い雄、血縁関係は不明、というのは、チーターには非常に珍しい取り合わせだと思われる。

雄ライオンには時折ある、と、big cat diaryなどで、説明されていた。

こうして、チーターは群れていくのか、と思われたのだが。

しかし、オルパダンの専制に耐えかねたのか、若い雄は元の縄張りに戻ってしまう。

 

そして、何故か、オルパダンは元の群れの4頭に接触したようだ。

それがどういった発端で起こり、どういった経過を辿ったのかは不明だが、オルパダンは瀕死の負傷を負い、片目をほとんど失明してしまう。

獣医師による治療が行われたが、ハンデを負って生き延びることは不可能だと思われた。

 

しかし、オルパダンは生き延びる。

獲物が豊富なマサイマラで、狩りを続けられるまでに回復した。

しかし、ヌーの群れが去り、獲物が減ると、オルパダンは狩りに苦労するようになる。

ハイエナにまでつきまとわれて、遂に、ライオンに襲われ、死亡してしまう。

 

やりきれないが、仕方がない。

チーターは、捕食者のうちでは、弱者なのだ。

 

衝撃的だったのは、オルパダンの死の2週間後、4頭の群れのオラリシャニまで、死亡してしまったことだった。

彼もライオンかヒョウに襲われたらしい。

チェリシェバ博士は、オラリシャニの性格が原因と説明する。

その名の通り、オラリシャニは群れでは仲裁役を務め、対敵には仲間を庇うことが多かったという。

博士にとって一番のお気に入りのオラリシャニだった。

その死は衝撃だったようだ。

 

3頭になった群れは、まだ健在だ。

6歳を超えたチーターが生き延びるのは難しいらしい。

仲間の死によって群れが減っていくのは、仕方のないことなのだろう。

それでも、群れであれば、多少は長生きできるかもしれない。

 

ところで。

今回は、オラリシャニにスポットライトがあたっていたが、ぜひ、ほかの4頭の個別の物語も作って欲しい。

オラリシャニの言動?とか、興味深い。

それに、当初は、落ちこぼれのオルニョクが注目されていたはず。

4頭になったら、再び、ウィンダに虐められるようになってしまったオルニョク。

4頭では不安定なのか?

成長したチーターは狩り以外の余計な体力を使うようなことはしないと思っていたが、4頭だと、余力があるのだろうか?

3頭になれば、余裕はなくなり、虐め?はなくなるのか?

ウィンダやレボーの振舞いがどう変遷していくのか?

それに、彼らの子孫は?

群れるDNA?は、継承されていくのか?