フェリー「しまんと」
通信状況については、夜間以外は概ね電波状況がよかったようだ。
島影や沿岸が見えるところでは、大抵、電波を受信している。
夜中は、通信なしとなっていたが、今回は、kindle、GARAPAGOS、e-booksJAPANの全てが起動した。
理由は解らない。前回が例外だったのか???
「しまんと」は昨年就航の新造船なので、船内はかなりきれいで、明るい。
四国をイメージした内装だそうだ。
2等モノクラスだが、個室もあり、ルームチャージ料金はそれほど高くない。
といっても、トイレとバスは、室外になる。
それに、ベッドの寝具は自分でセットしなくてはならない。
プルマン式なので、上段のベッドだと、梯子を上り下りしなくてはならない。
体重があると、荷重がかかって、結構、辛い(>_<)
揺れは、結構大きく感じた。
客船ではないので、フィンスタビライザーがついていない。
ので、かなり揺れる。
それに、雨もしくは雨催いだったので、波があったのかも知れない。
とはいえ、少々歩行に困難をきたす程度で、それ程ひどくはない。
のだが、同室の同行者は船酔いでダウンしていた。
どうやら乗り物によって相性みたいなものがあるようだ。
11/14 07:14頃の窓の外の景色
薄くて判り難いが、虹がでている。
11/14 08:02頃のデッキからの風景
雲間から日が差す。
フェリーに乗ったのは、かなり昔なので、ほとんど記憶にないのだが。。。
カーペット敷きの大部屋か、個室でもカーペットだけで蒲団なし、だった。
それに比べれば、普通の2等でも二段ベッド(押入風?)が標準なのは、かなり快適なのではないだろうか?
なによりも、大浴場、24時間営業!がある。
レストランはないが、自販機であれこれ買える。
夜間は閉まっているが、売店(案内所?)もある。
航路は、東京(有明)~徳島(沖洲)~九州(新門司)まで。
徳島まで約18時間、徳島で1時間停泊、九州まで約15時間。
合計34時間。あしかけ3日かかる。
なので、いずれは、九州まで行ってみようかと、考えてはいるが。。。
なかなか実行は難しそうだ。
フェリー「しまんと」と大塚国際美術館
今回の目的は大塚国際美術館の見学である。
目的の美術館は、徳島県の鳴門国立公園内にある。
行く手段はいろいろあるが、今回はフェリーを選んでみた。
オーシャン東九フェリーで、東京(有明フェリーターミナル)から徳島(沖洲フェリーターミナル)に航行する。
しかも、珍しく一人旅ではなく、総勢7名の小グループ旅行なのである。
18:00に、りんかい線国際展示場駅前にあるフェリーターミナル送迎ワゴンの乗り場に集合する。
予定では、18:10の送迎ワゴンに乗るつもりだったが、一人ビックサイトに行ってしまって、集合場所に現われない。
乗船手続きがあるので、二組に分かれて、先にフェリーターミナルに行く。
フェリーターミナルは広くてきれいだが、ほとんど人がいない。
乗船券は予約してあり、クレジット決済してある(1000円割引になる)。
乗船名簿を確認するだけで、割とすぐに乗船券を受け取れた。
もっとも。。。
「ご乗船は6名様ですが、全員お揃いですか?」
「ええっと、一人迷子になっています。」
ちょうどその時、メールが入って、35分の送迎車に乗ると知らせてきた。
「あ、こっちに向かっています。」
受付の女性はにっこり笑って、6名分の乗船券を発行してくれた。
(同行者に送って貰った写真)
昨年就航の新造船なので、まだ新しい。
出航前、雨が降り出す。
フェリーターミナルからの乗船は、屋根がついている通路を通る。
が、船に乗る直前に、外に出る。
クルーが待機していて、傘を差しかけてくれた。
11/14 19:30 有明から出航。
翌日13:20に徳島港に到着なので、17時間50分も乗船時間がある。
時間が長いので、個室をとってある。
ちなみに、オール2等で、乗船料金は¥11,850円。
(事前予約で、クレジット決済すると、¥10,850円)
二人用個室(三人まで使用可)ルームチャージ¥10,000
四人用個室ルームチャージ¥12,000
二人用個室の二段ベッドから入口に向かって
ベッドは折り畳み式の二段で、写真右手の棚の上にマットレスがあった。
ベッドを使用しないで、床に敷いてもよかったようだ。
備品は、敷きパッド、シーツ、掛け布団、枕、枕カバー。
冷蔵庫、座布団、テレビ、コンセント。
ドアの鍵を渡されるが、オートロックではない。
気付いたのは翌日だったが。。。\(◎o◎)/!
個室は全てオーシャンビューで、結構、大きめの窓がついている。
パブリックスペースも、ほぼ全面窓になっている。
フォワードロビーがあるが、夜間はカーテンが閉じられている。
翌朝、デッキにでてみたが。。。
展望デッキ。
柵で仕切られていて、あまりよく見えない。。。
船内からの方が眺めがいい。
船内には、レストランはなく、売店と自動販売機がある。
オーシャンラウンジ、リラクゼーションスペースもある。
なによりも、展望風呂がある!
この展望風呂は楽しい。
まだ新しいし、思ったよりも広い。
夜間は遠方に灯りが見えるくらいだが、昼間は紀伊半島の海岸線が見える。
眺望も楽しいが、船が揺れると、浴槽に波が立つので、さらに楽しい。
さて、夕食。
今回はグループなので、東京駅で駅弁を調達した。
とても楽しかったのだが、写真を撮り忘れたorz
GRANSTAで調達したもの
まい泉丸の内駅舎弁当 ¥972
てとて もろこし揚げ(3個) ¥1,050
つきぢ松露 玉子焼き 七種盛 ¥864
駅弁屋祭で調達したもの
蝦夷うにホタテ弁当 ¥1,250
倉敷小町 ¥1,200
17酒肴弁当 ¥1,100
賛否両論弁当 ¥1,600
牛肉どまん中 ¥1,250
飲物は、ビール、酎ハイ、氷などは自販機で売っている。
ほうじ茶、お茶、水は、給水機(無料)がある。
電子レンジ、箸、スプーン、調味料なども置いてある。
リラクゼーションスペースのそばの自販機では、牛乳、ヨーグルト類も売っている。
食べ物も、キーマカレー、ナポリタン、丼物、ご飯、缶つま、カップラーメンなど。
値段もそれほ高くない。
大抵のものは手に入りそうだ。
翌朝の朝食に食べた徳島ラーメン(インスタント)¥170
昼食にはナポリタン¥400を食べたが、まあまあだった。
タバスコはあったが、粉チーズがなかった。
天気予報によると、徳島周辺で、9時~15時は雨となっていた。
予報通り、入港前から雨になる。
12:26 姉妹船の「りつりん」とすれ違うとアナウンスがあったので、デッキに行ってみる。
フェンス越しなので、微かにしか見えないが。。。
りつりんとすれ違う
13:20 沖洲フェリーターミナルに入港。
時間前に着岸したようだが、上陸準備に少々時間がかかった。
13:25 フェリーターミナルから、しまんとを振り返る。
徳島駅行きのバス停は、ターミナルのビルの反対側の端にある。
徒歩で十秒程度。
13:30 徳島バスに乗車
10分程で、徳島駅に到着する。
ここからはレンタカーで移動する。
まずは、帰りの高速バスのチケットを入手する。
JR四国の販売所に入ったので、阿波踊り号を買ったのかと思っていたが。。。
乗車前に、徳島バスのエディだったと判明。
両方とも同じ時刻に発車するので、10:30発を選んだのだが、チケットの表示をよく見ていなかった。。。
ニッポンレンタカーに行き、ワゴン車(10人乗り)を借りる。
レンタカーは全く分からないので、同行者に任せきり。
阿波おどり空港に、飛行機で到着するメンバーを迎えに行く。
こちらも遅れていたが、雨で、少し着陸が遅延したようだ。
3時過ぎ頃、合流する。
当初予定では、うずしお観光に行こうと考えていたが、雨なので、翌日に延期する。
プランB?の、阿波踊り会館に向かう。
16時からの阿波踊りを見学する。
約50分、¥800なのだが、JAFのメンバーカード、交通安全協会の会員証などを提示すると、20%引きになる。
あれこれかき集めて、7名分を20%割引にする。
さて、阿波踊り。
見学すると言っても、体験型らしく、一緒に阿波踊りを習う。
。。。。
足が悪いので、会場で踊るのは勘弁して貰った(-_-;)
併設のあるでよ会館で、お土産を物色し、駐車料1時間を無料にして貰う。
17時過ぎ、眉山へ。
雨は上がり、空は晴れてきている。
眉山公園からの夜景
結構、冷えてきていて、寒い。
早々に、眉山を後にして、宿に向かう。
宿は、ホテル千秋閣。
料理長お勧めの1泊2食付きで、一人¥9000。
「おどる宝島パスポート」を提示すると、ワンドリンクサービスが付く。
夕食は、和洋中折衷で、とても楽しい。
若い人には少し物足りないかも知れないが、我々中高年グループにはちょうどよかった。
烏賊と鯛は一切れずつ食べた後(^.^))))
刺身、特に烏賊がとても美味しい。
すだちは不要かと思ったが、かけるとさらに美味しくなる。
中華、海老と茸の炒め物
中華、牛肉と海月の炒め物
松茸ご飯♪♪
デザート
いつもはご飯ものは断るのだが、松茸ご飯なので、完食してしまった。
ホテル千秋閣は、従業員の方が皆親切で、さり気ないサービスがとてもよかった。
枕や布団がエレベータ前にあって、選べるようになっている。
フロアの奥には、自販機と、ランドリーがある。
部屋は広めだが、設備は少々古いので、コンセントが少ない。
大浴場がなくて残念だったが、浴槽が深めなので、それなりにゆったりと入浴できる。
そして。
ここも、オートロックではなかった(◎o◎)!
のだが、気付いたのは、かなり経ってから(>_<)
朝食(洋)
宿泊時に、和定食か洋定食か選べる。
玉子はテーブルに着いてから、スクランブルエッグか目玉焼きか訊いてくれる。
飲物はセルフサービスで、牛乳、ジュース、珈琲、紅茶等。
08:15ロビーに集合で、8時半頃ホテルを出発。
大塚国際美術館に向かう。
カーナビの行き先指定は、大塚国際美術館の駐車場にする。
吉野川を渡り、小鳴門峡を渡る。
高速道路を避けたので、小一時間ほどかかった。
09:30の会場の時間の少し前に、美術館の正面玄関で下車する。
駐車場から正面玄関までは約600mで、無料のシャトルバスが随時運行している。
正面玄関から大塚潮騒荘を眺める。
国旗は、美術館に協力した国々だったと思う。
チケットを購入し、長~いエスカレータを昇って、入口に到着する。
ここは地下3階で、山に沿って建てられた建物の上に昇りながら、地上2階までが美術館になっている。
。。。広い、のは、理解していたつもりだが、実際、広すぎる。
入口を入るとすぐに、システィナ・ホールがある。
原寸大である!
10:00からのガイドツアーに参加することにして、正面の最後の審判を眺める。
20年程前に行った時は、システィナ礼拝堂は月曜日しか公開されていなかった。
(多分。。。)
ので、月曜がフリータイムのツアーに参加して、見学に行った。
踏み入れた瞬間に、正面と天井の画に圧倒されて、詳細に眺める余裕がなかった。
今回はじっくり見られると楽しみにしていた。
上階から眺めたシスティナ礼拝堂
イヤフォンガイド¥500も借り受け、10:00からのツアーガイド(無料)に参加する。
システィナホールから始まり、古代、中世、ルネッサンス、バロックと見学して行く。
途中休憩を挟んで、二時間。
最後のモネの大睡蓮に辿り着いた時には、すでに空腹でへとへとになっていた(=_=)
モネの睡蓮の池(一応、睡蓮が2輪咲いている)
この池の内側に、モネの睡蓮の絵がほぼ全面に置かれている。
しかも、戸外である。
こうやって楽しむものなんだなあと感動するが、寒い。
昼食はレストランで、最後の晩餐ランチを食べようと思っていたが。
すでに気力と体力が尽きているorz
すぐ隣のカフェ・ド・ジヴェルニーに入る。
ヴィーナスカレー¥1000
ボンカレーである。(カフェの人に確認した)
ホタテの形をした皿に入っている。
ついでに、ムンクのどら焼きセット¥600を注文する。
鳴門金時餡のどら焼き、生クリーム、煎餅、阿波晩茶付き。
エネルギーを補給して、喫煙所のある1階に向かう。
ここは庭園になっていて、飲食が可能になっているらしい。
しかし、寒い。
せっかく上階に来たのだから、テーマ展示を見て行こうとして、現代の階で迷う。
直接つながっていなかったのだった。
テーマは、「食卓の情景」「運命の女」などなど、かなり面白い。
モデルコースを逆行する形で、現代から下って行く。
古代に戻ろうと思うのだが、つい、立ち止まって眺めてしまう。
ヴィーナスの誕生(アレクサンドル・カバネル)
ボッティチェリのヴィーナスの誕生(貝殻のヴィーナス)もあったのだが、写真を撮り忘れた(>_<)
グランド・オダリスク(アングル)
トルコ風呂(アングル)
当時の西洋人のハレムの認識??
どれも、原寸大で、しかも、至近距離まで近寄れる。
写真も撮り放題。
触っていいのかは、訊き忘れたが。。。
ベンチ、ソファーもあるし、何よりも、空間が広くて、開放的。
イヤフォンガイドの説明も約100点分で、とても、聞ききれない。
結局、システィナ・ホールに戻った時には3時過ぎていた。
折よく、ホールには人がいない。
天井画を眺める。
ベンチに寝ると、よく見えると聞いたので、寝転ぶ。
創世記から、天地創造、アダムの創造、イブの創造、楽園追放、ノアの方舟、ノアの泥酔まで。
周囲の壁画のモティーフは旧約聖書を読んでいないので、残念ながらあまりよく判らない。
しかし、一日で全てはとても見切れない。
物理的にも不可能だが、精神的にもキャパシティを超えている。
3時半にミュージアムショップに寄ってみたが、もはや何も考えられず。。。
一日、ワンフロアずつ、ゆっくりと見た方がよかったと思いつつ、美術館を後にする。
3時半過ぎから、鳴門の渦潮を見に行く。
駐車場までシャトルバスに乗り、4時発のうずしお汽船の観測船に乗りに行く。
本日の満潮は、4時半頃。生憎、大潮ではない。
渦潮の近くまでは、キャビン内で待機。
航行中は水しぶきが凄い。
渦潮の近くまでくると、アナウンスがあるので、デッキに出る。
。。。
両手を手すりから離さないでくださいと言われていたので、渦を撮りたいのだが、撮れない(>_<)
もっとも、渦は、期待したほどには大渦ではなかった。
メエルシュトレエムのような大渦を期待する方が間違っているかも知れないが(^-^))))
それでも、かなり広範囲に波が巻いている。
渦潮に乗って、廻る、というのも体験したヽ(^o^)丿
ので、とりあえず、満足する。
うずしお観光汽船のわんだーなると
帆船日本丸
16時半頃、千畳敷展望台方面に向かう。
ちょうど日暮れで、夕焼けが美しい。
鳴門海峡大橋
この後、一人を高速鳴門で降ろして、小鳴門峡、吉野川を渡って、ホテルに戻る。
途中、給油して、レンタカーを返却する。
6時半から夕食。
残念ながら、写真を撮り損ねた。
基本的には昨日と同じ。
刺身は、鯛と鮪。
中華の炒め物は、烏賊♪♪
豚の角煮。これは八角がきいていて、とても美味。
鮭ちりめんご飯♪
ケーキ。
すだち焼酎の炭酸割を頼んだが、これもすっきりしていて、とても旨い。
11/16 最終日。
10:30発の高速バスに乗り、鳴門海峡大橋と明石海峡大橋を渡り、13:53新大阪駅発のぷらっとこだま(こだま662)で帰る。
朝食は昨日と同じ洋定食で、スクランブルエッグにする。
トーストが厚切りなので、食べ切れないかと思ったが、旨いので完食する(*^^)v
ホテルのバルコニーから、高徳線の線路
四国は、電車ではなく、ディーゼル車だそうだ。
何度か見かけたのだが、写真を撮れなかった。
ので、線路だけ。
近くに城址公園などがあり、紅葉していて綺麗だったそうだ。
08:10にロビーに集合し、チェックアウトする。
08:15にタクシーを呼んで貰って、徳島県立書道文学館に行く。
9時半からなので、入口(実は裏口)で、暫し開館を待つ。
時間の余裕がないので、「仏文学者佐藤輝夫の軌跡」だけを見る。
中世仏文学は課題の一つなのだが、まだその手前で四苦八苦している(>_<)
ヴィヨンの詩のモチーフの壺
レジヨンノワール勲章
十時に受付の人にタクシーを呼んで貰い、徳島駅へ戻る。
バス乗り場で、バスを待つ。
先に到着したのが、JR四国の阿波踊り号。
乗ろうとしたら、乗車券が違うと言われる\(◎o◎)/!
その後到着した徳島バスの高速エディに乗車する。
座席は指定なのだが、空いていたので、適当に窓側に座る。
高速バスは吉野川を渡り、高速道路を通って、小鳴門橋、鳴門大橋、淡路島を縦断し、淡路島大橋を渡って、高速舞子に着く。
景色は期待できないかと思ったが、結構よく見えた。
11:45高速舞子到着予定だったが、少々延着したようだ。
ここからJRの舞子駅に移動するのだが、初めてなので、よく分らない。
とりあえず下に向かう。
エレベータに乗っている人に、聞いていみる。
エレベータで下へ、と言う人と、右に行ってスーパーを通り抜ける、と言う人がいる。
。。。親切なんだろうけど。。。
結局、エレベータで降りたら、左手前方に駅があった。
12時頃、舞子駅に到着。
12:03発のJR京都線の快速に乗る予定でいる。
急いで、乗車券を買って、改札を通り抜ける。
12:03 舞子発 JR神戸線快速
12:57 新大阪駅着
ここまで、多分、順調に辿り着いた。
ぷらっとこだまは13:53発なので、新大阪駅で軽く食事をする。
JR在来線の構内のエキマルシェで、串揚げと生ビールを注文する。
串揚げは、ししゃも、海老、カマンベール、牛カツ、豚カツ。
一時間弱時間があるので、余裕かと思ったが、串揚げがなかなか出て来ない。
結局、ぎりぎりになって、小走りで、在来線の改札を出て、新幹線の改札を入る。
ぷらっとこだまのドリンク引き換えは間に合わず、新横浜のKIOSKで、ワイン(プラス170円)に引き換えた。
さて、折角、こだまに乗ったのである。
駅弁を楽しまない手はない。
米原駅で、5分停車するので、駅弁を買いに出る。
ステーキ弁当は売り切れていたが、てき重(加熱式)¥1300、湖北のおはなし¥1550を購入する。
次は浜松駅。ここも5分停車する。
もちろん、目的は鰻である。
売店で、うなぎ飯2、濱松鰻飯1を購入。
うなぎ飯¥1600、濱松鰻飯¥2550と表示されていたと記憶しているが、消費税抜きの価格だったかも知れない。
残念なのは、数々の駅弁を購入したにもかかわらず、写真を撮ったのが一枚もなかったこと。
つい、食い気に負けて、食べ終わってから、気付いたのであった。。。(>_<)
ドラマ「オスマン帝国外伝」に学ぶトルコ語とお作法?
学ぶという程ではないが、観ていて、気付いたこと。
オスマン帝国での正式のマナーかどうかは知らないが。
まず、挨拶。
目上の人の前では、両手を前で組んで、頭を下げる。
(※日本式の頭を下げるではなく、視線を落とす感じ)
女性は一度膝を曲げる。
男は、ハレムの女性達と出会った時は、後ろを向く。
うっかり見てしまったら、死罪。
スルタンの前では、尻を向けてはいけない。
向けてしまったら、死罪。
もちろん、通る前に先触れがある。
より敬意を表す場合。
跪き、衣の裾を両手?にとって、口付けをする。
スルタンが母后にしていた挨拶は、手を取って、口付けをする。
退出する時は、後ろ向きに。
ずっと後ろ向きでなくでもいいようだ。
敬称。
スルタンは、スルタン・スレイマン。
スルタンだけが名前の前に付く。
呼びかける時に何と言っているのかは、残念ながら聴き取れない。
日本語にし難い発音何だろうと思う。
母后は、ヴァリデ・スルタンと呼ばれる。
皇女、皇子もスルタン。但し、名前の後に付ける。
皇女ハディージェは、ハディージェ・スルタン。
母后、皇女、皇妃に対する呼びかけは、スルターナとも、スルターヌとも聞こえる。
第一夫人、第二夫人に対しても、スルターナと呼びかける。
部屋付きの側女(いわゆるオダリスク)には、アトンとかハトンと聞こえるが、どうやらカドゥンとつけるようだ。
普通に、女性に呼びかける時にも使われている。
ヒュッレムは、呼び捨てから、ヒュッレム・カドゥン、ヒュッレム・スルターナと出世した。
男性に対する尊称は、エフェンディ。旦那とか先生とか訳されている(ような気がする)。
大臣に対しては、当然、パシャをつける。
イブラヒムも、小姓頭の時にはエフェンディで、大宰相に抜擢された後、イブラヒム・パシャと呼ばれるようになった。
簡単なトルコ語。
語順は確か、日本語と同じ筈なのだが、聴き取りは不得手なので、発音はよく判らない。
「わたし」(一人称)は、「ベン」
「はい」は、「エヴェット」
「いいえ」は、「ヨック」と聞こえるが、違うかも知れない。
「ありがとう」は、該当する語はないと昔聞いたことがある。
その時々のシチュエーションで異なるというのだが、覚えられなかった。
トルコ語ではないが。
「アッラー」と、スンビュル宦官長がよく言っている。
日本語の「あら」と同じような使い方をしているようだが、多分、アッラーの神様のことだろう。
あらっ、とか、あらまあ、とか、あらあらまあまあ、とか、日本語と似ていて、面白い。
「インシャラー」も皆がよく使っている。
意味は「神の御心のままに」だが、字幕はもっと軽い感じの「うまくいけばね」みたいになっている。
ドラマとはいえ、さすがにトルコで製作されているので、要所要所で、礼拝、祈祷がされている。
会議の前、遠征の際、名付けの際、など。
最後に顔を手で覆うのは、略式なのか、礼拝ではなく、何かのお祈りだからなのかは、よく分らない。
なので、肖像画などもってのほか、の筈だが、歴代スルタンの肖像画が残っている。
スレイマン大帝が肖像画を描かせたのはありそうな話だが、真偽のほどは分らない。
イブラヒム・パシャの邸が西洋風なのが、母后の顰蹙をかったのは、洋風で、人物(天使?)の絵が描かれていたからだろう。
塩野七生が描写していた邸は、純トルコ風だったと記憶しているが、どちらが正しいのかは不明である。
さて、ハマム(トルコ風呂)。
蒸気風呂のようだ。
残念ながら、真っ裸ではなく、バスタオルを巻いているような浴衣を着て、入浴している。
バスタブはないので、お湯は泉水の水槽のようなところから汲む。
石鹸をつけた海綿のようなもので体を洗う。
飲物が供されたり、菓子や果物を食べたりしている。
なかなか楽しそうである。
ジャリエたちは、優雅にハマムに入ったりして遊んでいるのかと思うと、そうではないらしい。
ドラマでは、メイド風(キャップとエプロンはない)の縦縞のドレスを着て、掃除をしたりしている。
大部屋だが、ベッドは各個人別にある。
時間になると、別室で、お稽古事をする。
ちゃんと教本のようなものを持って、移動する。
ダィエ女官長やスンビュル宦官長が先導して連れて行く。
時間がある時には、刺繍をしている。
スルタンのお召しがあると、イクバルと呼ばれ、部屋を与えられる。
要するに、お局様になる。
このお召しがあると、ドレスや宝飾品で着飾って貰えるようだ。
そして、宦官長自らが、御前でのお作法を教え込む。
お召しの後には、スルタンから報奨が与えられる。
ご寵愛が続くと、金持ちになれるのである。
そうして、宦官や女官に賄賂(バクシーシ?)を渡して、権勢を恣にできる、のだろう。
このジャリエたち、買われたり、贈られたして、ハレムにやって来る。
まずは、身体検査がある。
容姿で、側女候補にするのか、下働きにするのか、決めていたようだ。
病気持ちでないかを確かめ、さらに、医女が処女かどうか確認していた。
それから、お作法や、歌舞音曲を習って、スルタンのご指名を待つ。
実際は、母后が決めている。(と宦官長が言っていた)
神聖な金曜日は、第一夫人と過ごすことになっている。
ハレムのことなので、ベッドシーンは避けて通れないが、さすがに、あからさまなシーンはなかった。
せいぜいキスシーンくらい。
ベッドでのシーンも、並んで寝ている程度。
ドラマでは、イブラヒムと皇女ハディージャが大恋愛をする。
それだって、人目を避けて、こっそり文を交換するだけ。
二人が逢引きしても、間違っても、抱き合ったりなどしない。
そんなことをしたら、多分死罪。
というか、小姓頭と雖も、ハレムには入れないんじゃないかと思うのだが。
紆余曲折の後、漸く、二人の婚約が調い、晴れて、公認のデートをする。
とはいえ、女官付き(見て見ぬ振りをしている)で、手を取り合っただけ。
いや、でも、こういう奥ゆかしい方が、新鮮でいいなあ。
大宰相と皇女の結婚式は、8日間続いた。
その間、新婦と新郎は別々に、つまり男女別々で披露宴をする。
最後に、新婦が新郎の家に赴く。
この婚礼衣装は、とても豪華で、ルビーの飾りがついていて、とても綺麗だった。
スルタン自らが彫金したチューリップ(エメラルドとルビー)の首飾りを贈られる。
アナトリア原産のチューリップは当時、トルコ国外持出禁止だった。
スルタンの家族の象徴だったらしい。
オスマン帝国外伝
チャンネル銀河で、オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~を放映していた。
トルコで制作されたドラマで、史実に基づいたフィクション、と謳われている。
オスマン帝国第10代スルタン・スレイマン大帝と皇妃ヒュッレムの話である。
深夜の時間帯は起きていられないので、午後4:30からの再放送、それも全てを見た訳ではないのだが、割と楽しみに見ていた。
ところが。
今日(11/10)が第1シーズンの最終回だった。
しかも、とんでもなく中途半端なところで終わってしまった\(◎o◎)/!
その1
ヒュッレムは、イブラヒムに選択を迫られ、猛毒をたっぷり振りかけた菓子を、泣きながら指につまんだ。
かつての許嫁レオとの一件をイブラヒムに察知されて、死罪か、自害か、を迫られたのである。
その2
ハンガリーから送り込まれた暗殺者ヴィクトリアが、スレイマンに刃を突き付ける!
さっさと首をかき切ればいいのに、と思うのだが、そこはドラマなので、突き付けたところで終わって、余韻をもたせている??
シーズン2の放映は未定のようだが。。。
まあ、史実を踏まえているのなら、概ね、先は解ってはいるのだが。
西洋史として知っていたのは、
オスマン帝国の大軍がウィーンに迫るが、この時、漸く、相争っていたキリスト教緒国が一致団結?し、オスマン軍を退ける。
スレイマンの後を襲うのは、セリム2世である。
若かりし頃読んだ塩野七生の著作によれば。。。
ロッサーナ=ヒュッレムは、第一夫人を始めとして、側女たちを退け、ほぼ一夫一婦制の状態に持っていき、初めてオスマン帝国の正妃となる。
ヴェネティア元首の庶子アルヴィーゼ・グリッティは、ハンガリー王国の総督となるが、その後に起きた暴動で落命する。
イブラヒム・パシャは奴隷の身から鷹匠頭、小姓頭と出世し、遂に大宰相となるが、後に、処刑される。
スレイマンの第一皇子も処刑される。
ヒュッレムは、我が子を皇太子にする為に、邪魔者を排除したと噂された、らしい。
ちなみに、ロクサーナ(ヒュッレム)は、美人ではないが、愛想がよく、陽気だったようだ。
あるいは狡賢いとも評された。
オスマン帝国には「デヴシルメ」=奴隷徴用という制度があり、スルタンという絶対君主のもとに、意外に平等な世界だったようだ。
デヴシルメで徴用され、英才教育を受けた奴隷たちが、名高いイェニチェリという精鋭軍団で出世し、あるいは大臣、大宰相となることも可能だった。
とはいえ、絶対君主のスルタンの機嫌を損ねれば、大宰相と言えど、処刑されてしまう。
ちなみに、身分の低いものは斬首され、身分の高いものは絞殺されるらしい。
ハレムもしかり。
スルタンの側女は全て奴隷で、第一皇子を産めば第一夫人となり、つぎに皇子を産めば第二夫人になる。
夫人になれるのは、コーランの教えにより、第四夫人まで。
ハレムで絶対権力を振うのは、スルタンの母后である。
数多の側女を持つことができても、母親は一人しかいないからだ。
征服王メフメト二世が始めた悪習により、スルタンの代替わりの際、帝位に就けなかった皇子たちは殺されてしまう。
妊娠している可能性のある側女たちも同じ運命を辿ったようだ。
(多分、記憶によると。なので、定かではないが)
となると、ヒュッレムの策謀も致し方がないのだろう。
第一夫人を陥れ?、さらには追放してしまう。
だが、まだ第一皇子が残っている。
ハセキ・スルタン=皇后の地位に就いたとしても、自分と子ども達の生命の保証はないのである。
さて、ドラマ「オスマン帝国外伝」。
どの程度、史実に忠実なのかは、定かではないが、観ていて楽しい。
トルコ語は全く分からないが、登場人物の表情が判り易い。
怒っている、嫌だと思っている、機嫌が悪い、悲しい、など、表情豊か。
近頃のドラマのように、幾つかの場面が並行して現れるが、興味を惹くように思わせぶりではあっても、筋は判り易く描かれている。
ある意味、安心して見ていられる。
そして!!
トプカプ宮殿の内部、庭、バルコニーからの景色、金角湾の花火、豪華絢爛たる衣裳に装飾品!
ハマム(トルコ風呂)の様子に、お菓子、食物、器、などなど、興味は尽きない。
意外だったのは、ハレムの女性達の衣装はドレス風で、ハーレムパンツは履いていない。あれは、アラブの風習だったのか???
さらに意外なのは、スレイマンの趣味が彫金!!??
それに、でっかい指輪を親指につけている。
邪魔にならないかと思うのだが、何か意味が籠められているのかも知れない。
そして、ターバン!!
(巻いていないのは帽子なのかも知れない)
ふかふかの縫いぐるみみたいになっていて、金糸の刺繍がしてあったり、でっかいエメラルドとルビー(多分)が飾ってあったりと、こちらも豪華絢爛!
ついつい身を乗り出して見てしまう(笑)
ところで。
興味深いのは、トルコのドラマなので、オスマン帝国サイドで描かれている、
ということ。
今まで、ロードス島の攻防など、欧米サイドの番組しか見たことがなかった。
つまり、半月刀を振りかざしたトルコ服のおっちゃん達を、ロードスの騎士がばったばったとなぎ倒していく場面である。
史実はその通りのような気もするが、このドラマでは!
若くて!イケメンの!イエニチェリの兵士が、騎士たちを次々と倒していく場面が!!!!
なかなか貴重な場面だった(自分的に)
それはさておき、ヒュッレムは。。。
さらわれた当初(=奴隷となった時)は、怒る、喚く、摑みかかる、トルコ語は喋れない、という山出しの田舎者なのだが。
ハレムで教育され、ニギャール女官長に唆され?、何故か、ハレムの頂点に立つという野望を抱く。
思惑通り、スレイマンに寵愛されて、子どもをもうける。
トルコ語も上達し、洗練されていく⇒狡賢くなっていく、ようだ。
第一夫人マヒデブランとの凌ぎあいが、なかなか凄い。
(このドラマの主題なのかも知れないが)
マヒデブランも、第一皇子の母親なのだから、鷹揚に構えていればいいのに、頭に来たからと、ぼこぼこに殴ったり、数限りなく、いけずをする。
結局、あれこれちょっかいを出しては、痛烈なしっぺ返しを食らっている。
ヒュッレムは、怒りを抑えて、女官や宦官の忠告を聞き入れ、側女たちの機嫌をとることも覚えて、狡賢く立ち回って、優位に立っていくのである。
ところで、ヒュッレム、陽気という意味らしい。
歓びをもたらすもの、とかいう詩的な意味かと思っていたら。。。。
ドラマでは、なんと!
トルコ語がうまくないのを逆手にとって、言いまつがいをしたり、物真似をしたり、、つまりは、お笑いでスレイマンの機嫌をとったのである!!
おもろい奴、という意味だったとは、知らなかったよ!(◎o◎)!
一方、イブラヒムに双子の兄がいるのは、史実かどうかは知らないが。。。
一人二役で、ちょっと笑えた。
ドラマで、ヒュッレムと対立する経緯は、どうやら見逃したようだ。
ヒュッレムが一方的に罵っているのかと思っていたが、、、
最後に及んで、敵意を丸出しにしていた。
この二人の確執も、根深そうだ。
・・・でないと、ドラマが進行しないか??
シーズン2も観たいが、シーズン1ももう一度観たい。
48話は結構長いので、一気見はいやだけどなあ。。。
起雲閣
熱海の起雲閣に行って来た。
庭園や建物にはあまり興味はないのだが、予想に反して、とても面白かった。
入園料510円。
靴を脱いで、下駄箱にしまい、中のスリッパを履いて見学する。
案内を頼む場合は予約が必要。
麒麟の間。
碁盤がある。
囲碁ファンではないので、よく解らないのだが。。。
母親がヘボ碁を打つので、土産話として伝えてみると。
呉清源の打ち込み十番碁といって有名な勝負の一局が行われた、らしい。
対戦相手は、本因坊薫和。
本因坊戦ではないが、事実上の頂上決戦と言われたとか。
棋譜も掲示されている。
それはさておき。
金剛、玉渓、玉姫と名付けられた洋館。
暖炉やシャンデリアやステンドグラスが凄い。
ただのガラス戸でさえ、大正硝子の貴重品!
天井
タイル
絨毯
なによりも興味深いのは、ローマ風浴室。
ローマ風俗室と読んで、顰蹙を買ったが(>_<)
一度でいいから、入浴してみたかった。
庶民には高嶺の花だが。。。
ステンドグラス
カラン
浴槽
湯出口
旅館になった後の風呂場と比べてみると、格段の差が。。。
一応、外観。
ついでに、庶民の昼食。
早川で食べたシラス丼。
旨かったけどね。
旅するスペイン語 スペイン語で味わうJ文学
NHK語学講座の「旅するユーロ」シリーズが面白い。
語学はひとまず置いといて、旅番組として観ているのだが。
特に「旅するスペイン語 」が気に入っていた。
2人の平氏の漫才のような掛け合いが面白い。
食べる、飲む、遊ぶ、にも精力的にチャレンジしていて、観ていて気持がいい。
蛙は嫌いだが、蛙とMADORIの文法説明も楽しい。
「スペイン語で味わうJ文学」も楽しみにしていた。
今月からリニューアルする、ということで、更なる新天地(観光地)へと期待していた。
のだが、平岳大もMADORIも「スペイン語で味わうJ文学」もいなくなってしまったようだ。
テキストを購入していないし、全てを見た訳ではないので、定かではないが、10月一カ月の間、ミニガイドみたいなシリーズはなかった。
とてもとても残念である。
秋の日本一周クルーズ 感想
初めてのクルーズ(8日間)の全般的な感想。
一言で言えば、楽しかった。
乗船券が届いてから、準備中、クルーズ中、帰宅後、と、結構長い期間を楽しく幸せに過ごすことができた。
こんなに幸福な気分が持続したのは、初めての経験である。
乗船券とともに、「くるーずのしおり」と「乗船のご案内」が届く。
暇さえあれば、この二冊を眺めていた。
乗船前に船内図を含めて全てを把握していそうだが、鳥頭なので、何度眺めても新鮮に感じる。
各寄港地の観光案内や地図も同封されていたので、こちらも一読してみる。
オプショナルツアーには原則参加しないので、自力で行ける場所を探し、交通手段を調べてみる。
自分用の荷物のチェックリストを作り、荷造りの準備をする。
等々、煩わしい雑務でさえも楽しい。
クルーズ中はもちろん、初めて体験することばかりなので、どれもこれも楽しい。
帰ってから暫くも、軽い陸酔いだったのか、昼寝をすると、船に乗った気分になる。
見る夢は必ず、日没か日の出を眺めに行くところである。
なので、とても幸せな気分になる。
クルーズにはまる人々がいるのも納得できる。
とにかく、毎日、幸せだったのである。
多分、荷造りや荷物の出し入れ、バスでの移動がなかった為だろう。
それに、体力のなさは実感しているので、無理はしないで、のんびり過ごすことを優先していたからだと思われる。
船旅では、嫌ならキャビンに籠っていてもいいのである。
(無論、そんなことはしなかったが)
とはいえ、多少の難はある。
まず、思ったよりも、体力が必要だった。
船というのは、鉄でできているのである。
つまりは、堅くて重い。
キャビンに辿り着いて、ドアを開けた瞬間、
『こりゃ、見通しが甘かったかな、船内生活には体力が要るようだ』
と実感する。
キャビンのドアはもちろん、バスルームのドアもかなり重い。
デッキに出る為のドアは、更に重い。
加えて、船内は基本的に徒歩で移動なのである。
毎日、かなりの距離を歩かねばならない。
縦方向にはエレベータがある。
しかし、横方向には徒歩で行くしかない。
今回乗船したぱしふぃっくびいなすは、全長183.4m、全幅25.0。
端から端まで行くことはあり得ないが、例えば、食事に行くなり、展望風呂に行くなり、何処に行くにしろ、歩かなくてはならないのである。
スマホの歩数計が正しく計測していたとして、8日間平均11,460歩だった。
普段は平均5000歩程度なので、倍は歩いていたことになる。
まあ、おかげで、危惧したほどには体重は増加しなかったようだ。
次に、トレイの便座が高すぎた。
海外ではよくあることだが、座ると足が届かないのである。
さらに、トイレットぺーバーホルダーの位置が離れている。
手を伸ばしても届かない。
日本船でこんな目に合うとは予想もしていなかったので、どうすりゃいいんだ、と、当初、かなり情けない思いをした。
が、毎日数度の事である。じきに慣れた。
逆に、帰宅した時に、家のドアが軽くて、便座が低いのに驚いたぐらいである。
部屋は、ステイトルームHで、丸窓である。
1人旅なので、船賃は30%増しになる。
なので、申込可能な一番下のランクを選択した。
室内は、二人だと少し狭いかも知れないが、一人なら十二分の広さがある。
ビジネスホテルに泊まることを考えれば、格段に綺麗で広い。
但し、ベッドは狭い。
残念なことに、二つあっても、くっついていないので、狭さは解消しなかった。
(その代わり、一つをずっと物置台にしていた)
しかし、船は丸窓だよね、と、深く考えなかったのは、少々失敗だった。
やはり、小さいのである。
景色を眺めるには、もっと大きな窓の方がよかった。
もちろん、可能なら、バルコニー付の方がいいに決まっている。
もっとも、大抵は、11Fデッキにいたので、丸窓で十分だったとも言える。
次に、意外に日本語が通じない。
日本船なので、外国人クルーがいても日本語が通じるとなっている。
だが、実際は、そうでもない。
日本人と話をするようには、スムースに意思の疎通ができないのである。
食事の時の飲物のオーダーの際に難儀した。
メニューにあるものならいいのだが、そうでないものを頼みたい場合、まず、通じない。
英語なら通じたのかも知れないが、彼等の日本語よりも怪しい英語など使う気にもなれない。
どうやら担当者が異なるようだったのだが、そんなことは、初めて乗船するこちらには与り知らないことである。
まあ、それでも、頑なに意思を押し通せば、やがて、日本語に熟達したクルーがやって来て、話を聞いてくれる。
日本船だけあって、駄目だ、ということはあまり言わないようだ。
次に、電波状況。
日本一周なので、基本的に電波状況は良好だった。
昼は概ね港に停泊しているので、問題なく受信する。
夜の航行中は多少困難なようだが、それでも、11Fデッキに行けば受信できるという話だった。
docomoの地図アプリの訪れた町を確認すると、とんでもない陸地の先端部分など、どう見ても人跡未踏の地に行ったことになったりしている。
毎度思うのだが、このアプリ、現在位置情報が間違っていることが多いうえに、そこに行くまでの行程というのが無視されている。
そこまで、飛んで行ったのか?!と突っ込みたくなる。
今回、スマホの電子書籍があるのだからと、紙の本は持参しなかった。
本というか、もっぱら漫画なのだが、kingle、GALAPAGOS、eBookJapanと三種類を使用している。
なので、紙の本までは要らないだろうと考えたのだが。
ところが、GALAPAGOSも、eBookJapanも、電波が届かないと、アプリ自体が開かないのである。
それって、読書用のアプリとして、どうなの、と思うのだが。。。。
kindleだけは、同期できないだけで、問題なく使えた。
結局、使い勝手はkindleが一番だということになるかも知れない。
その他。
往復宅急便の依頼も、初めての者には訳が分からなかった。
伝票がついていて、指定の電話番号に電話して依頼するとなっていたが、依頼の仕方が明記されていなかった。
実際に宅急便会社に、「往復宅急便をお願いします」と言ってみたが、珍妙な問答をしてしまった。
「宿泊先名は?」
「ぱしふぃっくびいなす、です。」
「ホテル名ですか?」
・・・?
しかも、電話した数時間以内に取りに来ると言う。
まだ、荷造りは済んでいない。
慌てて、翌々日にして貰ったが、事前の予約が必要と思ったのは、こちらの勘違いのようだった。
船の揺れと酔い止め。
あまり乗り物は得意ではない。幼い頃はバスも電車もダメだった。
今でも、飛行機は苦手なので、長距離の場合は酔い止めを必ず用意する。
短時間の場合は、乗る前にビールを一杯飲む。
ドクトルまんぼう方式で、酔う前に酔っておく。
しかし、クルーズでもこの方式で大丈夫なのかが判らない。
クルーズ体験記などを読むと、フィン・スタビライザーがついていればあまり揺れないという。
しかし、天候次第である。
やはり、酔う前に薬を飲んでおく方がいいようだ、と考えた。
昨年の残りの24時間タイプの酔い止めを前日に飲んでおいた。
のだが。。。これは失敗だった。
とにかく眠い。
二日ほど服用したが、昼にも一杯飲むという方式に切り替えた。
さほど揺れないのなら、やはり酒を飲んでいる方がいいようだ。
天気が怪しくなったら、フロントに常備されている酔い止めを貰えばいい。
天候には恵まれたが、船の揺れが全くないとは言えない。
初日は結構揺れを感じた。
曇天だったし、台風通過後だったから、波が高かったからなのかも知れない。
その後は慣れたのか、波が静かだったのか、あまり揺れは感じなかったが、もちろん、揺れている。
停泊中も、航行中も、揺れている。
少々歩行がおぼつかなくなるが、展望風呂に入ると波が立つので、結構楽しい。
それと、航行中は、当たり前だが、風当たりが強い。
特に舳先の付近、デッキの手すり付近は強風になる。
写真を撮ろうと思って、船縁付近に近付くと、結構な強風に煽られることになる。
さすがに、スマホだと手許が不安になる。
ひもで首から下げられればいいのだが、大きめのスマホなので、首から下げるのは気が進まない。
カメラを買った方がいいだろうかと考えるのだが、カメラの構造と性能が判らないので、結局いつも買わず仕舞いになる。
自分で楽しむ分には、スマホ内蔵のカメラで十二分に高性能だし、画像を確認するのも大きく表示されるし、色も綺麗なのである。
結局は、スマホでいいや、という結論に落ち着く。
食事。
食事は、寄港地の特産品を使った一品など、趣向が凝らされていて、毎回楽しく、概ね美味しく食べられた。
というよりも、毎食、贅沢なご馳走だった。
朝は、和定食か洋食バイキング。
昼は、日替わりで和洋中華のランチ。
夕食は、会席料理かフレンチのフルコース。
食べ過ぎの方が心配になる。
あえていうなら、味付けが関西風(京料理?)なので、関東人の私には少し苦手なものがある。
酢の物が酸っぱすぎるのである。
(同席した人達は全然、と言っていたので、私だけのようだが。)
昆布出汁が基本で、塩味で甘味が少ないというのは、慣れれば、さほど気にならない。
それでも、天麩羅が違うのである。
違いの理由は種々あるようだが、私の場合は、唯一つ、天つゆが恋しかった。
頼めば出てきたのかも知れないが、面倒なので、試してみなかった。
でも、天つゆにたっぷり浸した天麩羅が食べたかったなあ。。。
それと、テーブルマナーを確認しておけばよかったと、少々後悔する。
洋食はともかくとして、和食のお作法を実は知らないと気付いた。
悪名高き先割れスプーンにパンの給食で育った世代なので、洋食には何の抵抗もないのだが、和食は箸の使い方からして怪しい。
もっとも、気になったのは最初の一品だけで、後は食べて飲んでいるうちに、マナーなんぞは吹っ飛んでしまったが。
ティータイムを含めて、最大8回の食事が摂れるというのは嘘ではなかった。
問題は、そんなに食べられるか、ということに尽きる。
結局、
6時にエスプレッソとマフィン。
8時頃に朝食。
12時頃に昼食。
4時にサンドイッチとアイスコーヒー。
18時半過ぎに夕食。
の五食で、比較的規則正しい食生活を送っていた。
残念ながら夜食には一度も行かれなかった。
オープンの時間には既に寝てしまっていたのである。
服。
いろいろ迷ったが、結論として、船内で洗濯できるので、日数分の着替えを用意する必要はないのであった。
ランドリーには、乾燥機とアイロンもある。
洗剤もあるが、柔軟仕上げ剤はない。
乾燥機用の柔軟剤はあったが、乾燥機は使用しなかったので、どんな効果があるのかは分からない。
着替えとしては、Tシャツ2~3枚、下着・靴下3組程度で、十分なようだ。
セーターとウィンドブレーカーは必需品。
(船縁付近は強風で寒い。早朝と夜は冷える。)
パジャマも必須。
ゆったり寝るには、普段通りの寝支度がいい。
あとは、昼に着るもの、観光に着るもの、夜に着るもの、それぞれ用意すれば十分に間に合いそうだ。
サンダルはあった方がいい。
ビーチサンダルより、クロックスのように踵がある方がいい。
展望風呂にはスリッパで行ってもいいのだが、結構な距離になるので、やはり、サンダルの方が歩きやすい。
夜はドレスコードがあるので、要注意。
今回は、インフォーマルが1回だけで、あとはカジュアルという指定だった。
インフォーマルとは何ぞや、と、真剣に調べてみると、フォーマルではないが、お洒落な格好のこととある。
披露宴などに着て行く服、などと解説されているが、冠婚葬祭と縁遠い生活をしていると、判断に困る。
結局は、夜にレストランでフルコースの食事をする時に相応しい格好、でいいようだ。
確かに、会席料理やフレンチのフルコースを食べるのなら、やはり、それなりの格好をしている方がよさそうである。
つまりは、着飾って、食事を楽しめばいいのである。
では、カジュアルは、何でもいいのか、というと、さにあらず。
ジーンズ、Tシャツは不可とある。
ポロシャツとブレザーならいいか、と思って用意してみたが、テーブルに着くと、周囲の人は結構、お洒落な格好をしている。
箪笥の総ざらえと思って、目一杯準備して行った方がよさそうだった。
しかし、今回はフォーマルのドレス指定がなかったからいいようなものの、フォーマルの時には、どんな服を着たらいいのだろう???
とはいえ、余計な心配なので、機会が訪れたら、検討してみることにする。