ハロルドとモード 少年は虹を渡る

ザ・シネマで放映していたので、懐かしくなり、再見。
初めて見たのは、40年近く前(37、8年前か?)。
wikipediaによると、HAROLD AND MAUDE(1971年)
当時の面白いもの好きの友人に、
「少年は虹を渡るって、映画見た。凄い婆ちゃんが出てきてね、…」
「…? 少年じゃないの?」
「その婆ちゃんと、少年が恋仲になるんだよ」
というような会話をした記憶がある。


テレビで、多分、昼に放映されていた。
吹替だと思うけど、記憶になし。
一人で見ていた気がするが、日曜だったのか、授業をさぼった平日だったのか。
狂言自殺癖のある少年と、凄い婆ちゃんという記憶はあったけど、詳細は覚えていなかった。


初っ端から首吊自殺シーンだが、ママは平然と電話をしている。
しかも、首吊死体の息子に、夕食に遅れないように、などと、声をかけている。
既に、何度(15回位?)も見ているので、免疫がついているようだ。
ママは金持ちで、過保護で、マイペース。
息子をカウンセリングに通わせたり、陸軍将校の叔父さんのところへ行かせたり、結婚相談所に登録したり、ジャガーをプレゼントしちゃったりする。
チャイコフスキーの音楽とともに、バスローブを脱いで、プールに入るシーンは、笑える。
息子は溺死体の真似をしているが、まるっきり、無視。


ハロルドの趣味は、自殺シーンの演出?と、他人の葬儀に参列すること。
しかも、中古の霊柩車を手に入れて、乗り回している。
ママのプレゼントのジャガーも、霊柩車仕様に改装してしまう。
結婚相談所から紹介された、花嫁?候補その1には、焼身自殺を演出して見せる。
その2の前では、腕を切断して見せる。
当然、二人は驚いて、逃げ出していく。
その3は、女優志願で、刀のような刃物の説明の為に、ハロルドはハラキリをして見せる。
敷物を敷き、謎の作法をして、スキヤキと叫んで、切腹する。
こんな強烈なシーンなのに、記憶にはない。
笑った。
しかも、彼女の方まで、ジュリエットを演じたことがあると言って、刀?を突き立てて、死ぬシーンを演じちゃう。
(死んではいないと思うけど、定かではない)


そんなハロルドが、趣味の葬儀参列で、モードと知り合う。
モードも、参列が趣味なのである。
しかも、他人様の車を、勝手に乗り回している。
立派な窃盗罪だが、当時、日本では、使用するだけなら、窃盗にならないなんて、俗説が罷り通っていた。
アメリカもそうだったのかは不明だが、何しろ、今と違って、コンピュータ管理なんてしていなかったし、勿論、携帯も、GPSもない。
警察もいい加減だし、モラルも低い。


モードが何者なのかはよく分らないが、さり気なく、立派なご主人と死に別れたことや、ナチスの収容所にいたと思われる入れ墨の痕が映し出される。
ハロルドに、視覚、聴覚、臭覚、触覚の刺激を伝授?しながら、「それも、80歳まで」と自殺を予告している。
死ぬ気になった人間なら、何も怖いものはないのかも知れない。
ヌードモデルをしたり、車やトラックの使用窃盗を繰り返し、街路樹を勝手に移設し、追いかけてきた白バイを振り切ったりする。
建物や車の解体現場でピクニック?をして、やがて二人は恋?に陥り、ベッドシーンはさすがにないが、それらしき翌朝のシーンがある(笑)。


ハロルドは真面目?に、モードと結婚しようとする。
当然、ママを始め、周囲の人は反対するが、ハロルドは、モードの80歳の誕生日に、ムードを盛り上げ、プロポーズをしようとする。
しかし。
予告通り、モードは服毒自殺を図る。
ハロルドは病院に運ぶが、結局、モードは死んでしまう。
霊柩車仕様のジャガーで、疾走し、海岸の崖っぷちから転落する。
自動車は大破するが、ハロルドは崖の上から姿を現し、バンジョー?を弾きながら、去って行く。
内容も変だし、登場人物も変だし、だからどうよ、という気もするけど、なんか、懐かしい。
当時を思い出すからなのか。
随分以前に一度見ただけにしては、印象は同じだった。